大阪府×大阪市 | 北浜・西天満で働く弁護士のブログ

大阪府×大阪市

1月11日付け日本経済新聞朝刊31面より。

大阪府議選と大阪市議選を含む4月の統一地方選(前半戦)まで残り3か月になった10日、府議会5会派の代表が地元の民法ラジオ番組の討論会に参加し、地域政党「大阪維新の会」代表の橋下徹知事が提唱する大阪都構想を主なテーマにして激しい議論を交わした。


東京で生活していたときも、大阪で暮らしている今も、ほとんどの選挙には参加していますが、選挙通知が届いてから知ることが多く。(反省…)

これから大阪市で行われる選挙は、いつかを確認。(携帯から見られる方は、表が乱れて読めないかもしれません。申し訳ございません。)


<選挙の種類>   <任期> <任期満了日>   <告知日>  <選挙期日> 

大阪市長選挙      4年     H23.12.18

大阪市議会議員選挙  4年     H23.4.29      4月1日    4月10日   

大阪府知事選挙     4年     H24.2.5       

大阪府議会議員選挙  4年     H23.4.29      4月1日    4月10日   

衆議院議員総選挙   4年     H25.8.29

              (解散あり)

参議院議員通常選挙  6年     H25.7.28~H28.7.5

              (3年ごと半数改選)


 (参考)堺市議会議員選挙の選挙期日も、4月10日


*選挙すべき議員数:大阪市議選は109名、大阪府議選は86名。

*選挙の種類・任期・任期満了日は、大阪市ホームページより。

*告知日・選挙期日・選挙すべき議員数は、大阪府ホームページより。

大阪市HP:これからの選挙  大阪市総合トップ>組織一覧>大阪市選挙管理委員会>これからの選挙

大阪府HP:府内の選挙  ホーム>府政運営・市町村>選挙>府内の選挙



結構間近にせまっています…。今後も大阪にとって重要な選挙が目白押し。

再び上記記事。都構想についての各政党・知事らの意見の抜粋。


【民主・自民・共産】⇒反対、【公明】「現時点ではどちらとも言えない。

民主:「政令市は財産で、府と市の2つのエンジンを使うべきだ。」

自民:「基礎自治体をしっかりさせれば、府は必要なく、道州制に移行すべきだ。」


【橋下府知事】

都は景気や雇用対策を担い、アジアからヒト、モノ、カネを呼び込む。特別区にすれば住民が区長を選挙で選んで住民サービスを決められる。


維新は府市両議会での過半数獲得を目指しており、橋下氏は結果次第では今秋の大阪市長選へのくら替え出馬を示唆している。



「大阪都」になると何か変わるのか?

選挙が近づいているのに、市民にはメリット・デメリットが分からない。

池上彰さんに教えてほしい…。


と、思っていたところ、

1月15日付け日本経済新聞夕刊3面「子どもニュースPLUS1」で、(子供むけなので)分かりやすく解説していました。

要約してみます。(逆に分かりにくいかもしれませんが)



【前提(大阪市の権限)】

大阪市は人口が266.8万人→政令指定都市(70万人以上)

→府や県と同じくらいの仕事ができる。・国道や県道の管理、小・中学校の先生の任命など。

⇒政令市があると知事だけの判断で決めづらい。(府知事のカジノ構想など)


【指摘されている点】

府と市が同じような仕事をしていてムダが多い。大阪市内の全部の区にある市立図書館とは別に府立図書館があったり、大阪市内に府と市の体育館があったり。


【一体的・効率的な行政のための方法の一例(都構想以外の方法)】

①県や府の区分をなくして、関西圏や関東圏みたいな広い範囲で政策を進める道州制

②都道府県からも独立した「特別市」 例えば、韓国のソウル。政令市よりも強い。


【参考(東京の23区)】

東京には政令市はない。中心に23区ある。そこが大阪と違う。

→大阪や横浜の区は市の組織の一部で区長も市の職員。

 東京の23区は特別で、区長は選挙で選ぶし区議会もある。

→東京の特別区は市ほど権限がないから、都と区の仕事が比較的うまく分かれている。都は普通の市が担当する消防や水道の仕事もしてる。予算を区に分配するのも都の仕事。


確かに、私が大阪で暮らし始め、また仕事の中で、「これって府?これは市?」

なにか行政が重複している印象を受けました。二重行政で非効率な面がたくさんある感は否めません。

では、どうするのが最適なのでしょう?


橋下府知事の都構想でいいたいのは、

ⅰ)大阪府も、ソウル市のように、海外からもっと多くの観光客や企業を呼び込んで街の魅力を高めないと、他の新興国の都市に後れをとる。(だから、東京都のように、府に今より強い権限を与えるべきだ。)

ⅱ)住民に近い目線で政策を実行すべき。(だから、東京都のように、区長を選挙で選べるようにすべきだ)


こうなのかな。

でも、「だから、東京都のように」は、時代遅れのような気がします。

東京の区も、もう少し権限を強くするべきだという声があると聞いています。


今のトレンドからすると、逆に、市により権限を与えるべきのように思います。

つまり、上記の②特別市の方がいいのでは?


私用や法律相談で、大阪市の各地の区役所を訪れ、区役所を利用する区民の様子をみる機会がありますが、まだまだ十分ではないかもしれませんが、一定程度、区民の暮らしに欠かせない存在になっています。少なくとも、この区という共同体については、壊すことなく、より進化させる方向での制度改革でなければならないと思います。

都構想は、都市づくりでは一定の成果をあげるかもしれませんが、住民サービスの観点からみれば、進化どころか後退するおそれがあるように思います。


都市づくりも、逆に、ソウルなどを参考に、大阪市にもっと権限を与えて、大阪市が堺市など近隣の市と連携しながら、責任をもってやることでも可能ではないかと思います。


恥ずかしながら知識不足で、説得力のない、いわゆる直観に近いですが、今はこのように思います。


橋下府知事が、もし大阪市長だったら、逆に「大阪市にもっと権限を」と言うような気が…。

大阪府知事をやっているうちに、大阪市長の方が、自分がやりたいことをできる環境だったことに気付いたのでは。大阪市長にくら替え出馬だけすれば良いのでは?

失礼ですが、そのような気もしています。


残念ながら、そのような気がしています。

1月16日ブログ「災害に強い大阪(減災社会)を目指して 」で紹介した平松市長のように。

橋下知事も、当初はサッカー場建設を賛成していたはずであり、考え方がぶれがちに思えるので。



いずれにしても、橋下府知事と平松市長は、サッカー場構想を撤回したことをお互い批判し合うのではなく。

「橋下徹vs平松邦夫」ではなく、「大阪府×大阪市」の精神で、政治をしていただけたら。


そして、4月10日の選挙までに、もう少しビジョンを示し、市民が検討できるだけの情報を開示して、議論していただけたら…。


生まれ故郷の岐阜でもなく、私の亡父が暮らしていた、私が弁護士になるまでに成長させてくれた、大好きな東京でもなく、この大阪を選び…。

大阪で事務所を開設したから、ここで長く生活しなければならない、長くいたい、そう思う一人の大阪市民として、切にお願いしたいです。


なお、上記記事では、全国の政令都市19県が人口順に並べた表がありましたので、ご紹介します。

(神奈川県は、3つも政令都市があり(横浜、川崎のほか、10年4月に相模原市)、県の人口の64%を3県が占めるのですね。知らなかった。)

関西も4つの政令都市が近接しており、大都市であることを感じさせます。この都市間でもっと相互連携して発展させていけば、関西の経済も絶対によくなると。


1 横浜   361.8万人

 大阪   266.8

3 名古屋  225.9

4 札幌    191.0

 神戸   153.9

 京都   146.3

7 福岡   146.2

8 川崎   142.0

9 さいたま 122.1

10 広島   117.4

11 仙台   103.7

12 北九州  98.1

13 千葉   96.1

14 堺     83.9

15 新潟   81.2

16 浜松   80.8

17 静岡   71.6

18 相模原  71.4

19 岡山   70.5

(1月15日付け日本経済新聞夕刊3面より)