小学六年生の三知也はある日「びっくり館」と呼ばれる館に住むトシオと友達になる。


クリスマスの夜に「びっくり館」に招待された三知也は「リリカの部屋」と呼ばれる部屋で密室殺人に遭遇する。


事件から十年以上の時が経ち、三知也はふとしたきっかけで、中村青司の名と共に迷宮入りしていたあの日の奇妙な事件のことを思い出すのだった。


低年齢向け推理作品を扱うミステリーランドの一作品です。


綾辻行人さんの人気作品である館シリーズでもあり、同シリーズの刊行を楽しみに待っていた読者の方にとって「びっくり館の殺人」というタイトルはインパクト十分だったのではないでしょうか?


内容に関しては、ミステリーというよりも挿絵の不気味さも手伝ってホラー作品に近い印象を受けます。


特に結末に関しては完全なホラー作品だと言ってもいいのではないでしょうか?


トリックについては他の館シリーズと比較してスケールダウンしている気もしますが、対象年齢を考えるとまあ無難ではないかなと思います。


ただ、文章に関しては単語を平易な表現にしただけで、文全体の構成などが低年齢向けになっているとは言えないような気がします。


個人的に綾辻さんの文章は低年齢対象に向いていないような感じがします。


なにやら消化不足な感じが否めない作品だったので、自分よりももっと若い年齢の方に読後の感想を訊いてみたいです。


ホトケ的採点
ストーリー:12

登場人物:13

文章:11

その他の要素:13

総合:49