怖い夢を見た。
どこかで見たことのあるような田園風景。
農家がある。
農家の庭先に、なんと、巨大な牝ライオンが繋がれているではないか。
どうしてこんな場所に、こんな危険動物が?
君子危うきに近寄らず、そそくさと逃げ出そうとしたその時。
にゃあ
小さな声が聞こえた。
子猫の声。
ライオンの足元に、まだよちよち歩きの子猫がいる!
よりによって、そんなところに!
助けないと、きっと食べられてしまうに違いない。
抜き足、差し足、僕はそっと近づいてライオンの傍に寄ると、子猫を片手で掴み、慌てて逃げた。
ライオンは怒り狂ったが、繋がれている。
農家から逃げ出して、もう安心。
子猫を胸に抱いて、さて遠くへ行こうか、思った矢先!
ガオー!
なんとライオンが追いかけてくる!
しかも早い!
僕は走ろうとしたが、足が縺れる!
もあダメだ!
ライオンが背後から僕に爪を立てた!
ヒッ!
と悲鳴を飲み込み目が覚めた。
ゆ、夢だったか。
しかし、ライオンの感触が残っている。
嫁が背後からしがみついて寝ていた。