食事の終わった ねこ が部屋の中で飼い主たちの顔を見上げては何となく様子をうかがっているように見える。


筆者がパソコンの電源を切り、パソコンイスから立ち上がると ねこ も立ち上がり、居間の扉の横の柱に両方の前足をかけて立ち上がり、伸びをしている。


「行くの?」と声をかけながら扉を開けると ねこ も廊下に出て、この頃は開け放してある仕事場への扉を通り、段差を下りたところに座り、振り返って時々ニャー、などと声をかけてきながら飼い主の顔を見上げている。


そのまま台所へ行こうとするのを止めて ねこ の横をすり抜けて外への扉のところへ行くと ねこ も立ち上がって扉の前で立ち止まって待機している。


扉を開けてやると、ねこ は外の様子をうかがい、小走りに飛び出していく。


またもや、ねこ のために二つも扉を開けてやることになったわけ、冬の間は、仕事場への扉も閉まっていることが多いので、都合三つの扉を ねこ が外へ出かけるために開けてやることもあるわけで。


ねこ は居間にいて、外へ出かけたければ「猫専用通用口」を通って廊下に出て、廊下の端にある「猫専用出入口」から自由に…扉は閉めてあっても ねこ は自分で開けられる…外へ出られるにもかかわらず。


ことは飼い主の誰にとっても同じことで、何だかんだと言いながらも ねこ のために扉を開けてやる家族ばかり、ねこ のしもべ(ドアマン)になったかのように。