午前中に外出しようと車で往来への進入路を登り始めると、ねこ が「趣味の菜園」で日向ぼっこをしていたのかどうか、両方の前足を体の下に折りたたんで座っているのが見えた。


「行ってくるよ、待っててね!」と呼びかけると、確かに ねこ の口が「ニャー」と動いたと思ったのだが。


昼過ぎに帰宅すると ねこ は家にはいなかった。無理もない、陽射しがあふれんばかりで日増しに春らしくなってくるこの頃、ねこ ならずとも外にいた方が気持ちがいいだろう、などと ねこ がいないことを気にも止めない飼い主たちだったりする。


一服して、手作りゴハンの二食目を作ろうかな、と台所に向かおうとした頃に ねこ は帰宅して、うつわが空なのを確かめてまた出かけていった。


ここしばらく、なぜか二食目にほとんど手をつけないことが多かったので、家族と「欲しがってもドライ・フードをすぐに出さないようにしよう」と話したところ。次のゴハンがないのでは話にならぬ、とすぐに二食目を作って定位置に持ってきておく。


午後、筆者は歯医者の予約があり、自転車で出かけた。ねこ はこの自転車という見慣れないものにいつまでも警戒の動作を止めない。


だいじょ(う)ぶ、ダイジョブ、待っててね!」と声をかけながら ねこ の傍らを通り過ぎたのだが。