今日は昨日よりもいちだんと暖かな一日で、ねこ はほとんど家には居ないで外で過ごした。陽気がよくなってきて、人も生き物たちも草木もほっと一息つき、伸びをしてうららかな陽射しを一日浴びていたいといったところか、黄砂や花粉に煩わされない限り。


ときどき戻ってきては手作りゴハンを食べたり、ドライ・フードをねだったり、部屋の扉を開けさせたりはするものの、気がつくと外に出掛けていて家の中にいない今日の ねこ は「趣味の菜園」に出てクワを使ったり、玄関先で鉢物の世話を焼いていたりするとどこかからやってきて、背中を地面にこすり付けたり、あとをついて歩いたり、外で見かける姿ばかり。


夕方、このところ日課のように、冬の強風で折れて地面に落ちている柿の枝を薪で焚く風呂窯の焚付けにするために集めるのだが、我が家の敷地のはずれに近いあたり、普段はあまり行かない柿の枝を集めに行きかけると「ゥニィー」と声が聞こえた。


見回すと、物置小屋のそばのコンクリートの枠の上に ねこ が座っている。こちらが見つける前に ねこ は筆者を先に見かけて声をかけてきたのであるよ。


ねこ の名まえを呼んで「そこにいたの!」とこちらも返事をして ねこ の方に行きかけると ねこ の方でもこちらに歩いてきて、途中で連れ立って柿の枝集めに付き合ってくれる。


そのうちに、柿の木のかなり高いところに登ってしまった。すでに薄暗くなりかかって足元の草に埋もれかかっている枝が見つけにくくなっている。ねこ に「お家、お家、ゴハンあるよ、いっちゃうよ!」と呼びかけて家に戻る。


ねこ は今日はまだ外にいるつもりらしく、先回りをして居間で出迎えてはくれなかった。その後も、明け方近くまで戻ってこなかったような。