朝。窓から何気なく外を見ると、ねこ が「趣味の菜園」の堆肥置き場の周囲で何かやっている。


トタンをかぶせてある堆肥の山の向こうに行ったり、こちらに来たり、じっと座り込んだり、何をしているのかはっきりとは確認できないのだが、何かに注目して一心に何事か地面を見つめていつまでもしていることを止めようとしない。


あたりにはツグミが地面に舞い降りていて何かをつついたり歩いたりしているのだが、小鳥には目もくれないところを見ると、地面の中にトンネルを掘って暮らしているモグラか野ネズミを見つけたのかもしれない。


堆肥置き場の周りには、堆肥に集まってくるミミズや虫などを狙ってか、辺りの地面には縦横にトンネルが掘られている。その主が現れたのかもしれない。


しばらくして ねこ は居間に戻ってきた。何事もなかったかのような顔で飼い主たちを見上げて「ニャー」などと挨拶をしてくる。


手作りゴハンの一食目をいつもの場所に置くとすぐに食べ始めた。エモノは捕まえなかったかもしれないけれども、ずいぶん長いこと狩りをしていた…働いてきたので、お腹が空いたのかも。