二階の廊下には、室温が上がり過ぎないように窓を細めに開けて、どちらかというと酷寒にはあまり強くはないものの耐寒性が多少はある鉢物を避寒させているのだが、その鉢物を下におろし、戸外に出して水遣りをした。


ねこ は階段を上がろうとする筆者の足元に絡みつきながら先回りをして二階に上がり、上から上がっていく筆者を見下ろしていたり。


二階の物置部屋のガラス戸が細めに開いているのは ねこ が自分で開けた証拠だったり。


両手に鉢を…片手に二つずつ、等々…持ち、階段を降りる筆者の先を駆け下りて行ってみたり。


鉢物をすべて下ろし終わり、ひと鉢だけ一階の玄関先に置いてある東洋ランを、二階組の東洋ランと同時に水遣りをしようと、部屋から玄関先へのガラス戸を開けるとすかさず玄関の土間へ下りてみたり。


いつもは開かずの玄関の扉を開けるとそこから外に出てみたり。


水遣りを終えてバケツを風呂場に戻しに家の中に入ると、居間への扉の前に座っていたり。


まるで、飼い主がすることなすことの先を読んで先回りをして待ち受けているような ねこ だったりする。飼い主がどこに向かおうと、そこには ねこ がいる、まるでどこでもドアを持っているみたいに。


水遣りを終えてパソコンに向かうと、火の消えたストーブの前にしばらく据わり、背中を舐めていた ねこ は知らない間にどこかへ出かけたらしい。