朝、さほど寒くはなかったのだが春に降るような湿った雪が10センチほど積もっていた。大した降り方ではないのだが、猫たちにとっては10センチの深さは四つ足が付け根…わきの下・鼠けい部まで…もぐってしまうほどの深さであるよ。


ねこ は処女雪…確かに朝一番の雪の原っぱはまだ誰も歩いていないので…を前にして、玄関から外に出て、暖地よりは少し余裕のある作りになっている軒下にスフィンクス座りをして広がる雪の原っぱを眺めている、茫然と、という感じで。


家族が、雪掻きスコップで母屋にいちばん近い物置小屋まで、さらに先の物置小屋まで ねこ も歩けるような道を作ってやっている、ねこ は何度かに一度は物置小屋にこぼれて広がっている砂のあたりで用を足すことがあるらしい、というので。


ねこ はすぐに物置小屋まで出かけるわけではなかったのだが、それでも午前中遅くに雪が止むまでの間には確かに行ったらしい足跡がついていた。


ムカシは雪が降ると物珍しさだろうか、外に出かけて行き、足やお腹に雪の小さなかたまりをいくつも付けて帰ってきたものだったが、この頃は雪だまが付くような日にはあまり出かけなくなったかも、歳を取ったかしら、などと。