昨日、今日と真冬が戻り、冬らしい雪の舞う風の強い日が続く。


夕方のコーヒータイムに ねこ が居間に来て、ストーブの横に前足を立てて座っている。飼い主たちの顔を見上げてはしきりに視線を捉えようとし、視線を捉えると柱の上の方角を見つめ始めた。


視線の先には、猫ブラシが。


何度か ねこ は集まった飼い主たちの顔を見上げていたが、そのうちに筆者と目が合った。


ヨシヨシ、分かった、分かった、と猫ブラシを取り、ストーブの傍らへ行く。ねこ は伸びをして筆者が猫ブラシを差し出して促す開けたあたり…ストーブやコタツから離れたあたり…へ移動した。


そういえば ねこ のブラッシングを筆者がしてやるのは実に久しぶりのような気がする。


逆毛を立てると、空中に少し毛がフワフワと舞い上がった、まだ換毛が終わっていないのだろう。毛並みに沿ってブラシをかけながら、途中で頭、顔、耳の辺りを豚の毛の方でこすってやる。筆者の片手は ねこ があごをこすり付けたがるので ねこ に借してある。


背中をゆっくりと押し、横倒しにさせ、お腹に豚の毛の方でブラシがけをするころになると、筆者の手にじゃれ始め、爪を立ててくるので前足を押えてしまう、その手は食わないよ、と。


多分、いつもの家族に比べて長々とやっているのに飽きるのかもしれないが、最後に人間のあかちゃんのように仰向けに抱きしめるまで付き合ってくれた ねこ はすぐに寒い戸外へではなく、とりあえずは隣の部屋に気分転換に(?)行ってしまったのだが。