真夜中、ねこ はコタツの中で湯たんぽに体をくっつけて眠っている。筆者も ねこ がコタツの真ん中にのうのうと体を伸ばして眠っているのを避けて、からだを不自然に曲げながら眠っていた。


何となく目が覚めると、室内にはまたよそのオス猫のマーキング/スプレーと思しき異臭がするので、ねこ の手作りゴハンが確かに残っていたのを思い出して明かりを点けてみると、やはりきれいになくなっている。


昨夜、夕食のときに ねこ はコタツ布団に寄りかかって寝そべりながら、台所の片づけをしていて少し遅れて居間に来た筆者の顔を、何となくイライラしたような顔でじっと見つめていたのだが。


食卓上のカセットコンロの上に乗せた鍋の中には、キンメダイの頭が入っていたのだが。


ねこ はそのいい香りにしっかりと気づきながらも、飼い主たちの食事時には食卓に乗ったり、ねだったりしない習慣がしっかりと身についているので、いつも通り寝そべったままでいたのだが。


筆者が自分のさかなの一部を取り分けて骨を除き、ねこ の食べかけの手作りゴハンの上に乗せようと立ち上がると、たちまち ねこ は立ち上がり、まっしぐらにうつわのところに行き、まだ少々熱めの魚をほおばり、あっという間に食べてしまったのだが。


一切れでもオヤツをもらうと、あとはゆったりと落ち着いてコタツ布団の端に戻り、寝そべっていたのだが。


キンメダイの大きなカケラは食べたものの、手作りゴハンの残りにはまったく手をつけなかった ねこ だったのだが。


その後、ドライ・フードをねだって少し出してもらい、手作り分も少しは食べたのだが、音を立てずに侵入して横取りするよその猫が自由に入ってこないようにしておくのに、文句はないよね?? 出入り口を閉めておくよ。