昼さがり、ペットの鶏たちの世話をしようと外に出ると、複数のネコのケンカをしているような大きな声がする。


どこだろうと見回すと、敷地内の広い柿畑を横切って、見覚えのある黒っぽいトラ猫のうしろを我が家の ねこ が追いかけて全速力で駆けていくところだった。


ねこ の名まえを呼ぶかどうか迷っているうちに、柿畑のはずれ、隣のリンゴ畑の境界で ねこ は追いかけるのを止めて前足を立てて座り、筆者のところからは姿の見えなくなった他所のネコの往く手を見ている。


しばらくして ねこ が見つめている方角とは幾分ちがうあたりから、猫たちのサカリの時のような「ニィアアアオオー」とでも書いたらよさそうな大声が聞こえてきた。


そういえば ねこ の毛代わりはまだ厳冬期の真っ只中なのにすでに始まっているようだし、猫たちのサカリの季節も始まりかけているのかしら、などと。


我が家の ねこ は自分のナワバリを守ろうとして追いかけていったのだろうか? それとも、猫トモダチと遊んでいた? やはり恋の季節??