朝、ゴミ出し兼散歩から帰宅すると ねこ が二つある物置小屋の間を駆け抜ける姿が見え、ねこ はそのまま進入路を往来へと走り、筆者を出迎えてくれた。連れ立って母屋へ戻る間、何となく愁いを込めた目で筆者を見上げているような気がしたのだが。


その後も、気温が高めだがかなりの風が吹き荒れた午前中に、何となく家の中にいた ねこ は筆者が二階へ上がればついてくるし、居間から鉢物を玄関先へ出すと玄関の土間へ下りようとするし、手作りゴハンの一食目も二食目もいつもよりはずいぶん早めにしっかりと食べてくれたのだが、何となく上の空だったような。


夕方、筆者は少々忙しかったのでいつもは居間でくつろぎながらいただくコーヒーを台所仕事をしながらあわただしく飲んだのだが、いつもなら毛皮の手入れをしてもらう時刻に、ねこ は居間にいて、家族に何か云いたげにあちらへこちらへと行ったり来たりしていたのだそう。


そして、所在なさそうな ねこ が何を訴えたかったのかは、筆者が夕食の準備をしている間に起きた。ねこ はかなりの量戻し、その中には毛玉が確認できたのだそう…毛球症気味で気分が悪かったということなのだろう。


調子のよくないとき、ねこ は何となく飼い主たちに助けを求めるようにやたらに甘えたりあとをついて歩いたり、いつもはあまりしないのだがひざに登ってきたりする。ここ数日、何となくそんな気配がしたのはそれだったのか、などと。


ねこ はその後何度も水を飲み、出してもらったドライ・フードを食べて空腹は一応おさまったころ、毛球症対策ペーストを舐めさせる。もう少し早めにペーストを舐めさせてやればよかったね、ゴメン、などと。


それにしても、この寒い中何となく薄汚れてきた ねこ の毛皮、いつかのようにドライ・シャンプーをしてみようかしらん。いつできるかしら、時間を見つけてやらねば。