午後のコーヒータイム、とはいっても我が家の場合、夕方暗くなってからのことが多いのだが。


自家焙煎した豆を挽き、いれ立てのコーヒーを飲みながら家族とコタツでくつろいでいたら、ねこ がコタツの中から出てきてストーブの横に座り、筆者を見ている。


何となくこちらを見て、薄目を開けて「ムニャ~~ン」と不服そうに、鼻にかかった半ば甘ったれたような声で鳴いているように見える。たまには筆者にブラシをかけて欲しい、と云っているような気もする。


そういえばしばらくしていないね、というわけで、柱から猫ブラシを取り、ねこ に見せると、ねこ は今度はしっかりと目を開けて「ニャーーーーーーーー」と。


おおソウカ、ヨシヨシヨシ、と、まずは背中、尻尾、わき腹、首筋、胸の毛を逆立てておき、次に毛並みに沿ってブラシをかける。


「お耳もやってあげるね、ほっぺもやってあげるね、お目目もやってあげるね、お鼻(鼻の横)もやってあげるね、あごもやってあげるね」などといいながらブラシの豚の毛の方でごく軽く顔中を撫でると、ねこ は目を閉じていかにも気持ち良さそうにいつまでもされるままになっている。


いつまでも顔を撫で回すわけにも行くまい。


背中をゆっくりと押して「伏せ」の体勢にし、ゆっくりと横に押すと ねこ はゴロンと横になる。右の前・後ろ足を持って仰向けにしてわきの下、鼠けい部を少々念入りにブラシ掛けする頃には、ねこ は自分の前脚を舐めて自分でも毛づくろいをしている。


脚の内側も全てブラシ掛けしたあと、手に水をつけてマッサージを兼ねて抜け毛をとり、ひとのあかちゃんのように仰向けに抱きしめる。「(家族がいつもやってくれていて、筆者がブラッシングをするのは)久しぶりだね」と。