昨日の夜から久しぶりの雨降りで、昼過ぎまでは時折ずいぶん激しい雨にもなった。


ねこ が夜中にどこかから帰ってきたときには、筆者はいつものようにコタツでうたた寝をしていた。ねこ はまずゴハンのうつわのところに行って食べ、そのあと身震いをしたらしい。筆者は夢うつつの中で ねこ の体から周囲に飛ぶ水滴の音を聞いたような気がしてはっきりと目が覚めた。


豆電球の明かりの下、ねこ の方に手を伸ばすと、ねこ は近づいてきて手にあごや顔をこすり付けてきた。背中を触るとはたして濡れている。


水滴が滴り落ちるような濡れ方ではなかったけれども、まずは古シーツを切った「猫布」が廊下に干してあるのを思い出して取りに行き、ポットのお湯で湿らせて体を拭いてやる。ねこ の頭、背中、尻尾、お腹と来て、腕や脚にはあまり泥がついていないようなので、念のために二枚用意した「猫布」は一枚で済んだ。


朝、珍しく一食目を食べてから ねこ は本降りの雨の中を出かけていったのだが。


次に帰宅したときも、ねこ はニャーニャー鳴きながら…家族の誰彼となくひと声 ねこ がニャーと鳴くと ねこ の名まえを呼んだり、おいで、おいで、などと返事をしてやるのだが…居間に入って来て、まずゴハンのうつわのところに行って食べ始めた。


見たところあまり濡れてはいないようだったので、食事が終わるまで、と「猫布」を持って待機していたのだが。


今度はあまり濡れていなかった。ならば、とブラシを取り出して毛皮の手入れをする。食べたすぐあとなのであまり体をよじらせないように、マッサージがきつくならないように気遣いながら。