「猫は元気で留守がいい」などとは微塵も思っていないよ、と伝える必要があるかどうか、ねこ は相変わらずなかなか家に寄り付かず、昼も夜も外に出かけたままに近い生活を送っている。


よその猫が、我が家の近くやねこ専用出入り口の周囲で甲高い声で鳴いているのを聞いたりすると、ねこ はまたまたプチ・サカリなのかしらん、などと。


なかなか家の中へ入ってこないものの、なぜか玄関のあたりにいたり、飼い主たちが外に出るとどこからともなくやってきては連れ立って歩いたり、足元にゴロンと横になったりして、確かに我が家の飼い猫だという自覚はありそうなものの。


声しか聞いたことがないよその猫がオスかメスか知らないけれども、ねこ に親友ができたのでなければ家から遠のきがちのこの状態はやはりプチ・サカリかねぇ、と家族はいうのだが。


さすがに季節は冬に向かうこの頃、ねこ はプチ・サカリだか何だか、家から遠ざかりがちに見えても、今のところ二食の手作りゴハンをきれいに食べ、ヨーグルトを舐め、ドライ・フードをねだって旺盛な食欲はあるらしいのでまぁいいか、と。


「早く帰っておいで、ケガをしないようにねェ」と声をかけては外へ出してやる日が続いている。