暖かくなってきて以来しばらくの間、ねこ はいつも入り浸っていた隣の家の物置のあたりが解体されたり工事に人が出入りしていたこともあってか、日中も我が家で過ごすことが多かった。


過ごすといっても、昼寝をして過ごすいいご身分だったりするのだが。寝室のタンスの裏に積み上げてあるダンボールの上で、前足・後ろ足を伸ばせるだけ伸ばして「すっ飛び猫」状態で前後不覚に眠っている姿をよく見かけたのだが。


この頃、当地はまだ梅雨に入っていないようなのだが、蒸し暑い日々が続いた後、ここニ、三日は乾燥した晴天が続いている。日陰はひんやりして気持ちがいいが、ねこ がこのところ昼寝に選んだのは、どうやら二階の廊下らしい。


陽射しが入って暖かいので冬の間は鉢物を置くのに重宝するのだが、さすがにこの季節には床材が傷みそうなので、カーテンを閉めてある。寒からず、気の床が冷たからずで気持ちがいいのかもしれない。


何かの折に、二階から独特のリズムを刻みながら降りてくる ねこ の足音を聞くことが多くなった。


二階から降りてきても外から帰ってきても、飼い主たちが ねこ にかけるのはたいていいつも「お帰り、お帰り、ゴハンあるよ!」だというのが、傍から聞けば、何とも不可思議なものかも。