早朝、いつものように筆者がコタツでのうたた寝から起き出してパソコン仕事を始めると、ねこ も起きてきた。いつもなら手作りゴハンにせよ、ドライ・フードをねだるにせよ、ひとしきり腹ごしらえをしてから出かけるのだが、昨日以来あまり食べっぷりがよくなく、毛球症かしら、と家族と話していたところ。


ねこ は筆者の足元に来て、手を伸ばしてやると唇や、頬や、目の上や、鼻の横の辺りをさんざんこすり付けたあと、部屋の隅の猫専用通用口に向かって座った。


ならば。毛球症対策ペーストを舐めさせることに。洗面所で手を洗って戻ると、ねこ はまだ居間にいてくれた。少々嫌がりはしたものの、筆者の指に茶色のペーストを出して ねこ の上唇のあたりにつけると、まずはきれいに舐めてくれた。そして、コソコソとどこかへ出かけていった。


ちょうど一食目の手作りゴハンができる少し前に帰宅した ねこ は、飼い主たちが台所にいるうちにどこかに消えてしまった。


朝食のあとで、家族が ねこ のいない間に布団をしまおうと…ねこ 葉押入れの天井板から一階の天井裏兼二階の床下の埃だらけの狭い隙間を探検するのがこの上なく楽しいらしい…起きたなり、二つに折り畳んであった掛け布団をさらに二つに畳もうとすると、常ならぬ重みを感じ、そっと元に戻した。


ねこ が二つに折った羽根布団の中に入り込んでぐっすりと眠り込んでいたのであるよ、サンドイッチになって。


そのまま押入れを閉め、布団をそっと元の二つ折りにしておいてやった家族は、昼近くになり、そっと布団の二つ折りの中に ねこ がいないことを確かめてやっと布団をしまった。自称「いちばん ねこ を可愛がっている」家族だったりする。


そのまま朝食を終わるまで布団をしまわずにそのまま置いておいてやる家族だったりする。