雨の中を帰宅した。車が進入路を入ってくる音が聞こえたか、玄関の鍵を開けたり荷物を車から運んだりの気配で目を覚ましたのかどうか。


居間に入ると ねこ はコタツの中から出てきた。もちろん電源は切って出かけたのだが、例の湯たんぽが二つ入っていて、毛皮を着ている ねこ には冷たくも温か過ぎもなく居心地がいいのかもしれない。


飼い主たちの顔を見ると伸びをして、柱で爪とぎをし、雨の中外へ出かけていった。帰ってくる頃には二食目ができているだろうと飼い主の振る舞いを読んでいるにちがいない。


二食目ができ、少し遅めの昼食を食べ終わった頃に ねこ は帰宅して居間に入ってきてストーブ前に座り、少し甘えたような「ニァーゥ」などと。「猫の食卓」から二食目のうつわをストーブの横へ持ってきてやると腰をすえて食べ始める。ストーブのそばで食べる変な習慣が定着してしまったわね、などと。


日中はあまり出かけないで家の中にいることが多くなっているが、夜になると出かけていって、昨日洗ったばかりの毛皮から雨のしずくを滴らせて帰って来たりする。ポットのお湯で古シーツを切った「猫布」を湿らせて体中を拭くと、ゴロゴロ云いながら気持ちよさそうに仰向けになってバンザイまでしてくれたりする。