夕方、そろそろ明かりをつけようかという薄暗がりの居間に入ろうとして扉を開けると、床の方からではなく、空中のどこか筆者の胸か肩ぐらいの高さから ねこ の「ンニャーォ」とかいう甘ったれた鼻声が聞こえてきた。


「どこだろう」と一瞬ぐらいはびっくりしたのだが、パソコン机の上に乗せたラックの上のプリンターの上に、ねこ が前足の先を体の下に折り曲げて「伏せ」のような姿に座ってこちらを見ていた。


「そこにいたの!」と話しかける声に返事をしてもうひと声「ニャーン」と。


飼い主を見かけると声をかけてくるし、こちらの問いかけや合図にも鳴いて答える ねこ であるよ。そして、しばしば声を出さずに動作だけで「鳴」いたりもする。これが、猫好きにはたまらない、というのだが、たしかに。