夕食時、サンマの梅干煮を食べていたら。


ねこ はコタツ布団のへりに丸くなって眠っていたのだが起き上がって伸びをし、コタツの上に前足をかけた。いつもは飼い主たちの食事には何の関心も示さないのだが、今日に限って何を思ったのか。


サンマが気になるらしく、何度か ねこ の名前を呼んだり乗せた前足を床に下ろしたりしたのだが止めようとしない。いつもは御法度の振る舞いではある。が、今日のサンマはネギやタマネギやニンニクを一緒に煮ていないし薄い味付けにしてあるので、食べさせてもあまり問題あるまい、ということもあって。


「わかった、サンマが欲しいわけね」というので、サンマの尻尾の付け根から5センチぐらいまでの片側を手作りゴハンの二食目のうつわに乗せて「ゴハン、ゴハン、いいのあるよ!」などと話しかけてみるのだが。


ねこ はわかったようなわからないような顔をして床に座っている。


ならば、とうつわを「猫の食卓」からストーブの横に移動してみた。


「待ってました!」とばかりに ねこ はうつわの前に座り、サンマの大きな一切れをあっという間に食べつくしてしまった。


気が済んだらしい。そのあとは、いくら食卓にサンマが乗っていても ねこ はいつものように見向きもせず、今度はストーブ前・コタツ布団の角を広げた「おザブ」に寝そべり、前足の肉球などを舐め回している。