急に午前中から外出し、いつもよりは長いこと留守にした。帰宅すると、ねこ の姿はない。昨日までとは少し天候が変わって風が出たが、晴れて時折風花が舞うけれども気温はさほど低くはない。外に出かけたまま好きなように過ごしているのだろう、と。

すぐに夕方を迎えて薄暗くなり始めたので、鉢物を二階から居間へと移動させるため、階段を往復していると、ねこ はいつの間にか二階へ上がってきた。鉢と鉢の狭い迷路を抜けて廊下の奥のほうへ入り込んでみたり、足元にからまるように座ってみたり、最後の鉢を持って「行っちゃうよ」と話しかけると、連れ立って下りてきたり。

鉢を居間の定位置に置き、ブラッシング?というわけでブラシを見せると「やっとしてもらえる、安心した!」とばかりに耳を立て、何か一生懸命な顔をして近づいてきた。

確かに例年よりも早く、毛替わりを迎えているとしか考えられない。毛が抜けること、抜けること。ブラシはたちまち抜けた毛が絡まって厚いフェルトをかぶせたようになってしまう。

相変わらず、ねこ は常に体中を舐める。念のため、毛球症予防のペーストを舐めさせる。調子のいいときの常で、飼い主の人差し指の先にチューブから出した茶色のペーストをきれいに舐めてくれた。毛球症気味で調子の良くないときにはたいてい嫌がるので、今回のは予防になったかしらん。