Pファンクのアルバムカバーを乗っ取るファッションアイコンとハンク・アーロン | Blackbyrd McKnight プログレッシブ・ファンク・ロック・ブログ

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伝説のギタリスト、ブラックバード・マックナイト。その一環した職人気質な音作りとは裏腹にお茶目なブラックバードの一面を、日本生まれの日本育ち、ミセス・マックナイトがご紹介します。

今週の水曜日は米国大統領就任式一色。2週間前に群衆が議事堂に乱入と言う、前代未聞の事態が発生。その為、あたり一帯は全て封鎖、今まで見たこともないような厳重警戒態勢の中で開催されました。
 
大統領就任式と言うと、もちろん一大政治イベントなんですけれども、ま、女性陣の服装とか、セレブの出演とか、エンターテイメント性も抜群。ガガの国歌斉唱は期待を裏切らない素晴らしさ。若者代表による詩の朗読も賞賛を浴びました。ファッション・ポリスも大忙しの一日。でも、もう、2日も経つのにまだ世間を騒がしているのは、民主党候補争いで最後までバイデン大統領と戦った、バーニー・サンダース上院議員。
あまりの騒ぎに日本のニュースでも取り上げられているようなので、ご存知の方も多いと思いますが、彼の格好がバカ受けだったんですよ。
 
選挙運動の時と全く同じ格好で現れ、おまけに手には茶封筒を抱えています。終わったらすぐ仕事に行くぞって勢いが感じられます。我が家も彼が映った瞬間、
 
”えー、いつもとおんなじ格好じゃん!”
 
極寒のワシントンDC、ま、正しい選択ですが、一応は格式高いイベントです。参加者みんなが、おそらく身につけるものを新調する中、この親父、筋金入りです。本人はそんなこと想像だにしなかったと思いますが、これをユーモアたっぷりのSNSっ子達が見逃すはずもありません。あっという間に彼をいじるポストで溢れかえるインターネット、バーニー、映画のシーンに登場するわ、月面に着陸するわ、人気バンドのメンバになるわで大忙しです。
 
 
バーニーをいじるだけでは済まず、別のレジェンドにまでミトンを着けてしまう。
 
 
バーニー、頑固なおじいちゃんって感じの出で立ちですが、若者の間ではロックスター顔負けの人気を誇るポップアイコンなんですよ。この騒動にファンカティアが黙っているはずもなく、こちら、はまり過ぎている"Uncle Burn Wants You"のアルバムカバー。

 

 

 

マザーシップからも飛び出すよ。

 

 

 
暴動以降、重い空気の日が続いていたけど、久々に大笑い出来た。でも、極め付けはこちらかな、ご本人の許可も得ず勝手に載せちゃうけど、ファンクの先生河地依子氏のフェイスブックより、大阪のファンク・バーZIPに登場したバーニー、最高。
 
 
このミトン、リサイクル素材で作られたもので、バーニーの地元バーモントの学校の先生が贈ったものなんだって。そりゃ、あったかいでしょう。
 
話は少しそれますが、本日、アメリカ大リーグのハンク・アーロンが亡くなりました。ベイブ・ルースのホームラン記録を抜いた選手として有名ですが、人権活動家としてのお顔も忘れてはなりません。王選手とも親しく、日本でも馴染みのプレイヤーですね。黒人が偉大なるベイブ・ルースの記録を抜くなどとんでもないと、数えきれないほどの脅迫が届く中で成し得た偉業。1974年の事ですから、そんな昔の話ではありません。ブログ冒頭で出て来た暴動、残念ながら沢山の人種差別を意味するシンボルやスローガンを目にしました。なんでこの国は前に進めないんだろうと悲しくなりましたが、今日、ハンク・アーロン逝去のニュースが届き、彼の成し遂げた偉業が大リーグだけではなく、沢山の人達の人生を変えたことを覚えておかなければいけないと思いました。
 
"I had to break that record. I had to do it for Jackie (Robinson) and my people and myself and for everybody who ever called me a nxxxer."
 
(俺は記録を塗り替えなくてはいけなかったんだ。やらなきゃいけなかったんだ、ジャッキーの為、俺の愛する人達の為、自分の為、そして俺をNワードで呼んだ連中の為。”

 

 
Hank Aaron from "I Had a Hammer: The Hank Aaron Story"
<日本語訳:Mrs. McKnight>

 

ハンクの努力や人間性に惹かれ、彼の記録更新を応援した白人も沢山いた。そうやって大リーグは少しずつ変わっていった。時代は大きな山のようでなかなか動かないけど、小さな石が転げたり、今まで見たことのなかったような花が咲いたり、少しずつ変わって行くんだ。そんな時代の変わって行く狭間にいられる私達は、とても幸せなのかもしれない。