華籐えれなさんのドイツもの。

12歳の時の事故が原因で
それまでの記憶を何もかも(言語さえも)失くしてしまった
20歳の受のたどたどしい喋り方が印象的な物語。
『シナプスの棺』の水斗が脳裏に浮かんだり。

受けがものすごく純粋無垢で、
これは健気受けが大好物の方には
たまらないお話なのではないかと((・´∀`・))ンフッ♪

私はコミコミで購入したので
出版社ペーパーとコミコミ特典小冊子をゲットです。

眠れる森 著者:華籐えれな イラスト:いさき李果
クロスノベルズ BL小説 2012年11月
★★★
眠れる森 (クロスノベルス)/笠倉出版社
¥935
Amazon.co.jp


◆あらすじ(裏表紙)
幼い頃、記憶を失った真汐はドイツで男娼をしていた。何も覚えていない真汐には、男娼も「人に喜ばれる」仕事だった。ある雪の夜、真汐はマフィアのジークと出逢い、引き取られることになる。まっすぐに自分を見て、馬鹿な自分を受け入れてくれたジーク。空っぽだった真汐の中に、彼との記憶が積み重なっていく。真汐が惹かれていくのは自然だった。しかし、学ぶにつれ真汐は、いかに自分が穢れているのかを理解していく。初めての感情に押しつぶされそうになっていく中、ジークには『奥様』がいることを知ってしまい――。 ◆


感想は読メからコピペしたものに加筆修正しています。

知らないままの方が幸せだった――。
この話を読み始めて思い出したのが
ダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』。
私の大好きな海外文学作品です。
(BLじゃないよ!もちろんwww)

『アルジャーノン~』では
確かに知らない方がよかった現実だけれど、
『眠れる森』では知ったからこそのハピエンです♪
ご心配なく!

冬のドイツの森と湖の情景描写が美しい。

記憶喪失ゆえに無知な真汐の幼い喋り方が
物語をメルヘンチックに香りづけてます。
童話が好きな真汐なので、
随所に童話のエピソードが出てきたり。

知識がなかった頃ですら
ジークの心を自分なりに理解しようとしていたり、
知識を得るにつれ、
ジークの心だけでなく、自分の立ち位置をたえず慮り、
気持ちを自制しようとしている真汐は
無知ではあるけれど聡いのです。

バカだけど馬鹿じゃない。

だからこそ彼の純粋さが切なくて。

マフィアという厳しい世界に生きるジークは
真汐の愛に温もりをもらっているはずなのに
終盤の仕打ちが酷いんです!
「ジークのバカ!」と私もはたいてやりたくなった。

その終盤が駆け足に感じるのは、
幼さの残る真汐視点のみで書かれていて、
ジークの心情が掴みにくいからかな。

できれば終盤はジーク視点も欲しかった。
真相を知り慌てふためくジーク視点が読ませてもらえたら、
もっと物語に入り込めてエンドを迎えられたかなと…。

個人的には途中のHにもちょっと引っかかったり。
この二人のHはラストだけの方がよかったような気がします。

引き込まれ一気読みだったけど
私は健気受のツボがないので涙は出ませんでした。
壁||ョ*´ェ`) 

[ペーパー]
ちょっと不思議なお話でした。
森に迷い込んだ真汐の見たものは…。

ジークの傍に真汐がいてくれて
ディアナもきっと安心したんだろうな。

[小冊子]
腐の底通信☆BL感想録-IMG_3846.jpg

自分のお気に入りに付ける名前には
必ず「ジーク」を入れる真汐が可愛い!

ジークシルトに懐いてもらえなくて歯噛みする
ジーク視点のお話が読みたいー(笑)

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