去年のSHY NOVELS ハードコアロマンスフェアで購入してずっと積読してたもの。
橘紅緒さん初読みです。
あ、橘さん原作のコミックス「セブンデイズ」は読了してます。

雰囲気小説といいますか、
大きな盛り上がりがあるというわけでもなく、
終始一貫してアンニュイな雰囲気が漂う作品。
独特な文体にも賛否が分かれるようですが、那義は好みです。

ただ、繊細な描写の中に伏線めいたことがさりげなく散りばめられているため、
流して読むと見落としてしまいそうな気がします。

タイトルに「唇」と入ってる通り、キスシーンが多く、その描写が美しくて素敵です♪

唇で壊される。 著者:橘紅緒 イラスト:奈良千春
SHY NOVELS BL小説 2008年2月
★★★
唇で壊される。 (SHYノベルス)/橘 紅緒
¥903
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◆あらすじ(裏表紙)
かつて年上の男との恋愛に傷ついた神流柚槻は、以来本気で誰かを好きになることができなくなっていた。キスまではいい。でも、それ以上は許さない。 そんな柚槻の周囲には何人もの遊び相手がいた。けれど、丘智周と出会ったときから、なにかが変わり始めた。誰にでも優しく接し、相手をその気にさせる智周に恋人が途切れることはない。そんな男に本気になってはいけない。そうわかっていても、惹かれる心は止められなかった。つきあい始めたふたりだが、好きになるほど不安と寂しさは深まっていき…!? ◆

若いカプなのに爽やかさはカケラもなく、
ずっと夜の中をゆらゆらと流されているような雰囲気。

アンティークランプというのが、小道具として出てきますが、
その描写が、作品の雰囲気の彩であると共に、
キャラの心情をイメージ化する演出もあって素敵。

心に負う傷故に恋に一歩を踏み出せない二人だけど、
心が捩れている原因は攻めのチカの方が根深くて…。

当て馬として出てくる少女がいるんですが、
その正体がわかると釈然としないものを感じるんですよ。
ちょっと不自然というか、わざとらしいというか。

それだったらアプローチを変えて少女ではなく、
柚槻の心の傷の原因である司を当て馬としてもっと表に出して
チカの心情を掘り下げて欲しかったなぁ。

司の境遇を知ると、
もしかしたら司は柚槻を愛しく想っていたのかもなんて思ったり。
彼の背負うものを考えれば、
柚槻を大切に思っているからこその接し方だったのかなと。
司がお気に入りな那義の願望かもしれませんがw

若い二人からは引いた位置から読んでいたので
焦れたりはしなかったけど
「言葉は心を伝えるためにあるもの。
二人とも単文喋りはやめて、ちゃんと喋りなさい」とは思いました(笑)

あと、柚槻の友達の五十嵐というのがいるんですが、
彼も那義のお気に入りですv

奈良さんのイラストは
昔の絵なので今とは違いますが、
この作品の雰囲気を見事に表現されていて素敵です♪


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