3月11日以前に下書き保存してあったBLレビュ記事です。
読むのがお嫌な方はUターンをお願いします。

深井結己さんのバンブーコミックス新刊。
読み応えのある短編集で、
深井さんの世界を堪能できる感動の1冊です。

表題作でいきなり泣きました。

読メ登録しようと思っても、
言葉がまとまらなくて何度か読み返し、
そのたびに涙、涙で…。

まさに珠玉の作品集です!
那義既読の深井作品の中で1番のお気に入りかも!

死にネタあります。
でも、単なるアンハピエンではなく
感動に繋げてくれているのが
深井さんのすごいところです。大好きだ!

世界は光に満ちている 著者:深井結己
バンブーコミックス BLコミック 2011年3月
★★★★★

世界は光に満ちている (バンブーコミックス 麗人セレクション)/深井 結己
¥630
Amazon.co.jp


恋しいと思う、
この気持ちの前で
闇など怖くはない……。
(帯)
◆あらすじ(カバー折り返し)
時は昭和二十年、太平洋戦争下の日本の小村の片隅。医学の道を志し帝大に進みながらも、病によりその途半ばであきらめ帰郷せざるを得なかった榎戸正之介は、その不遇を託つこともなく世捨て人のごとく、ただ日々を送っていたのだが、そんなある時、撃墜された米軍機から瀕死の状態で脱出した若き米兵・ジョーイの闖入という青天の霹靂に見舞われてしまう。そして、普通であれば官憲に突き出すべきところを密かに匿い介抱してやるのだが、その過程でそれぞれの境遇を知り、心かよわせあう内に互いになくてはならない存在となっていき………… 果たして、この決して許されぬ恋の道行きの向かう先は――――!?
暗く不幸な時代に抗い輝いた至高の愛の邂逅をドラマチックに描き麗人誌上で大反響を呼んだ表題作他、等身大の男たちのピュアな想いに満ちた人生の旅路を綴りエイジングBLの金字塔との呼び声も高い「五月雨る抱擁」等、ヒューマンな魅力に溢れた最新傑作5編を収録!!………この感動、無限大!!! ◆


あとがきで深井さんが「日本ちょっと昔話」
と書かれてますが、まさにその通りで、
昭和だったり、古い時代のファンタジーだったり
ノスタルジックな雰囲気なのです。

『世界は光に満ちている』
この表題作でいきなり泣きました。
しかもホロリ程度じゃないし!

結末だけ見ればアンハピエンなのかもしれないけれど、
確かに幸せがそこにあったと感じられての涙でした。
ラスト1ページまで感動が続きます!

「恋しいと思う気持ちで
世界はこんなにも光に満ちるものなのか」
といった本編の中のセリフや、
表紙イラスト、カバー下に幸せが溢れていて、
彼らにとってあの結末はハピエンだったと思えます。

表紙絵が大好き!
二人のポーズと桜の花がとても素敵なのです。

ペーパーやあとがきにはコメディになってますが、
それを読んでも彼らの幸せが伝わってきてウルッと来そう…。

これが一番のお気に入り作品ですが、
同時収録の作品たちも
深い愛情が伝わってくるとてもいいお話ばかりでした!

『象牙色の銀河』
これも昭和のお話。
少年時代叶わなかった恋をずっと秘めていた主人公が、
せめて死ぬ前にとその想い人を訪ねます。
切ない話ですがエンドはほのぼのです。

『上弦の月が沈んだら』
これも泣きました。ホロリですが…。
幼い頃に病で父を亡くした主人公と
毎年命日に墓参りに来てくれる父の部下。
主人公は年に一度だけ会う彼に恋をしています。
10数年を経て明かされる彼と父の秘密…。

エンディングの上弦の月を絡めたモノローグが
とても素敵でした。。。

『契る花』
ぐろもあります。触手Hもあり!

村を守るため山に入る男(いわゆる生贄)と
彼に仕え彼を送る男。
触手Hもちょっとびっくりですが、
さらにその先が衝撃でした!Σ(T□T)

これもアンハピエンなのでしょうが、
その結末が残す余韻にはある意味優しさもあり…。

『五月雨る抱擁』
これもメインは昭和ですが、
思い出という描写になってます。
下宿屋さんが舞台の心温まるお話。

下宿に住む学生と管理人という年の差のある二人が
ゆっくりと穏やかに距離を縮めていきます。
これが一番安心して読めるかも。

口絵カラーはこのお話の扉絵。
優しくてすごく素敵な絵なのです。


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