夜光花さんのキャラ文庫新刊です。

4年前に雑誌掲載された『束縛の呪文に』
『解放の呪文』を書き下ろしで文庫化です。

お話自体は面白かったのですが、
結末が中途半端で、
うーん…となってしまいまいした。

夜光さんのあとがきで、
「このあと一体どうするんだ」と悩んだそうでw
当時、何を思って書いたのかも分からなかったそうです。
そんな夜光さんの
悩んだ後が窺えるラストだったのではと思いますw


束縛の呪文 著者:夜光花 イラスト:香坂あきほ
キャラ文庫 BL小説 2010年9月
★★★
束縛の呪文 (キャラ文庫)/夜光花
¥580
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◆あらすじ(文庫裏表紙)
フランスを拠点に活動するカメラマンの的場喬一。撮影のため一年ぶりの帰国で偶然再会したのは、人気上昇中の新人俳優・高瀬義隆。高校時代から付き合っている遠距離恋愛中の恋人なのに、喬一はわざと帰国を知らせない。そのつれない態度に翻弄される義隆は、苛立ちつつも執着を募らせる。思いつめた義隆は「俺はお前がいなきゃ駄目なんだ!」と、思い通りにならない喬一を監禁してしまい!? ◆



義隆、傲慢でわがままな俺様なんですが、
そんな義隆を翻弄する喬一もかなりのもの。

高校時代から付き合っている二人。
その高校時代に喬一は、
義隆の姉と関係して孕ませたり、
義隆に何も告げずに姿を消してしまったり、
遠距離恋愛を始めてからも、
わざと義隆を怒らせて、
ギリギリのところで甘えてみせて、
懐柔したりとかなりな性悪受け!

と思っていたら、実は違うんですよ。

いつまでも義隆に愛されたいがために、
彼に飽きられないように、
ゲームのような駆け引きを繰り返してるんです。

義隆が自分に執着するように仕向け、
その束縛から逃げ出すことで、
さらなる義隆の執着心を煽る。

嫌がりながらも、本心は、
義隆に執着されることが仄昏い悦び
というヤンデレ風味の喬一ですw

喬一視点で書かれているので、
お話を読み進めるほどに、
喬一の内面の一途さや臆病さがわかってきて、
読んでて面白かったんです。
いったいどんな結末になるんだろうと…。

でも、結末は…。
結局、問題は何も解決してないような…。
なんだかんだ喧嘩しつつも
これからも付き合っていくんだろうと思わせる
ハッピーエンドではあるのですが。

でも、読んでる側としては、
その先が知りたいんです!
問題にもっと踏み込んで、具体的に
二人がどう乗り越えていくのかが知りたい!
ってことで、読み終えた後にもやもや。

これ、後半か、あるいは終盤だけでも、
義隆視点で書かれてたら、
このエンディングでも、
もっと安心感があったんじゃないかと思います。

『義隆が喬一に飽きる』
これは読者にも不安材料なので、
義隆視点で、彼の喬一への愛情が
描かれていたらよかったのではないかと…。


不完全燃焼な感じのラストなので、
後日談、というか
うんと先の二人の話が読みたいなwww


Hは夜光さんなので、しっかりありますよ。

那義のお気に入りが1つ。
達した後の二人。
喬一の中から自分のモノを抜こうとする義隆に、
「待って…、もうちょっとだけ。……いてほしい」
って喬一が言うんですー♪

うふふふふふふふふ……。
こんな可愛いこと言われちゃったら、ねぇ。
喬一の中にいる義隆の息子さん、
また、むっくり起きちゃいましたよ。



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