日野ガラスさんのデビューコミックス。

表題作、同時収録作のどちらも
ゲイであるということに悩む
男子が切なく描かれてます。

表題作は受け視点、
同時収録作は攻め視点です。

私信:カエディへ
楓という名の受けだよ。珍しいよねwww


青年は愛を乞う 著者:日野ガラス
ドラコミックス BLコミック 2010年8月
★★★
青年は愛を乞う (drapコミックス243)/日野ガラス
¥680
Amazon.co.jp


◆あらすじ(コミックス裏表紙)
自分がゲイであることをずっと隠してきた高校生の楓は、親友の奥田に想いを寄せていた。この想いは一生伝えてはいけない――そう心に決めていた楓だが…。 交錯する想いが辿り着いた先とは…? ◆



表題作 愛を乞う
楓はすらりとした体格と綺麗な顔、
勉強も出来て誰にでも優しいので
女の子にモテます。

でも、楓が好きなのは親友の奥田。
奥田を困らせたくないから、
自分の想いは告げられなくて…。

だから、
奥田に易々と手を伸ばすことのできる女に嫉妬する。

女に対してすごく敏感になってる楓です。
奥田に愛してもらいたい。
抱いてもらいたい。
自分が女だったらそれが叶ったのかも?
といった感じで。

親友という言葉に逃げ込んで、
その言葉を利用して、
でも、どうにもならない自分の感情に苦しむだけ。

ぐるぐるしている楓の変化に奥田が気づき
事態が動き始めます。


同時収録 彼方の恋
元・高校の同級生同士の再会モノ。

かつて学校のアイドルだった男・カナタが
実はゲイだった…!?
行くところがないというカナタを
吉崎(ノンケ)は泊めてやります。

これはコミカルな描写もあるので
楽しかったりします。

でも、内容はセンシティブなもの。
ゲイであるカナタの悩む姿が描かれてます。

男同士の特別なセックスがしたいわけじゃない。
普通の男女が、普通にしてることをしたいだけ。
手を繋いだり、キスしたり、抱き合ったり…。

そんなカナタを見ている吉崎が
彼に手を伸ばし…。

エンドはあいまいな終わり方で
「?」ってなりましたが、
描き下ろしでなんとかフォローされてましたw


2作品ともに切なくて良かったのですが、
ちょっと気になるところもありました。

どちらの作品も
女に対する拘りが強いかなと感じたんです。
特に表題作は…。

『自分が女だったらよかったのに』というのを
あまりに押し出しすぎると
『男として男を愛する』という
ゲイというセクシャリティを揺るがしそうで
読んでてちょっとヒヤヒヤしちゃいました。

そして表題作も同時収録も
女を意識してぐるぐるしてるのは
受けなんですよ。

受け=女性的
というのを当然のように描かれてしまうと
それはちょっと違うと思いますし。

いえ、この作品はそうではなかったのですが
一歩踏み違えればそうなったかも、
という危険性を感じたということです。


表題作、同時収録
どちらにもコメディタッチの描き下ろしがあり、
可愛くて楽しかったです。


カバー下に、日野さんのあとがきと
没ラフ画がありますよー。


この作品も折本全プレがあるので

応募しようと思います。



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