英田さんの初期の頃の作品です。

先日、この作品の番外編小冊子を手に入れました。

で、本編を読んだのはずいぶん前なので
忘れてるかもと思い、読み返してから

小冊子を読んだんですよ。

で、小冊子のレビュを書いてて、
本編レビュへのリンクを貼ろうと思ったら…

なんと!本編のレビュがない!
( ̄□||||!!

以前やってたブログには上げた記憶があるので
こっちに持ってきてなかったのかと
保存用のとあるブログを調べましたが
そこにもなかった!

Σ(- -ノ)ノ エェ!?私、書いたはずなのに。
もしかして下書き保存したままだったのか?
以前のブログは閉鎖されてしまったので

今となってはわかりません。
ということで、ちょうど再読したのでここにレビュ書きます。


君のために泣こう 著者:英田サキ イラスト:北畠あけ乃
大洋図書SHY NOVELS BL小説 2004年7月
★★★★

君のために泣こう (SHYノベルス)/英田 サキ
¥903
Amazon.co.jp

◆あらすじ
「本気で嫌なら抵抗してみろよ」 父親がなくなり、ひとりぼっちになってしまった静一の元に、ずっと離れて暮らしていた弟の亮介が帰ってきた。すっかり大人の男に成長している亮介はまるで知らない人間のようで、静一は落ち着かない。そんなある日、酔った静一は男とホテルに入るところを亮介に見咎められ、越えてはいけない一線を越えてしまう。 こんなの許されない、例え血が繋がっていなくても…。 煩悶する静一に情熱を隠さない亮介だったのだが…!? ◆



血の繋がらない兄弟モノ。

ちょっと複雑な事情があって兄弟になった二人なんです。

とても仲の良い兄弟だったのですが
静一12歳、亮介6歳の時に
母が亮介を庇って交通事故で亡くなり
それ以降、亮介は名古屋の祖母に引き取られ

離ればなれに暮らすことになってしまいました。


14年後、静一の父が病死した後
亮介が戻ってきて一緒に暮らし始めます。

母の交通事故の要因となったのが
自分であるということを
幼いながらも気付いていた亮介は
どんなに寂しくても

父と静一の元に戻ることが出来なかったんです。

それぞれに寂しさを抱えていたのですが、
それは、自分だけじゃなく
相手も寂しかったんだということがわかってから
二人は昔のように心を通わせていきます。

亮介の静一への気持ちは

読んでるとすごく伝わってくるんですよね。
静一はなかなか気付きませんけどもwww

静一も当初は弟としてしか見ていなかったのですが
やがて自分の中に恋愛感情があることに気付きます。

でも静一はそれを押し隠そうとする。
隠していればそのうち慣れる。
そのうち冷めると…。


そうやって必死に押さえ込めば押さえ込むほど

感情があふれ出し、
その気持ちを投げ捨てたくて、
出会ったばかりの男とホテルへ行ってしまいます。


それを追いかけて止める亮介。

そしてその後は亮介に押し切られて…
という感じに見えますが、

実際のところは、逆かもしれない。

亮介の愛情を受け止めてはいるものの
静一の心の中には迷いがあるんです。
兄弟なのに。男同士なのに。
そういった静一の心の揺れが
亮介を振り回してしまっています。



BLの兄弟モノでは
弟が傍若無人な強引さで兄をムリヤリ…
というのは、よくありますが
この作品は痛さはありません。

確かに始まりは無理矢理なのですが、
鬼畜といえるほどのものは亮介にはないです。

静一がよく涙を零すので(亮介を想ってですけどねw)
その涙に弱い亮介…みたいなところがあるんです。

泣いてばかりの兄ちゃんを弟が優しく包み込んで
その涙を笑顔に変えてあげるんでしょうね。




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