華籐えれな氏の1月新刊です。

ヴァンパイアと神父という萌えツボな
ファンタジーモノ!

まさか泣けるとは思わなかった!
なのにラストで泣いてしまいましたよ。
私、涙もろ過ぎなので、
私以外、誰も泣いてない可能性が大ではありますがwww


異端の刻印 著者:華籐えれな イラスト:つぐら束
ガッシュ文庫 BL小説 2010年1月
★★★★

異端の刻印 (ガッシュ文庫)/華藤 えれな
¥650
Amazon.co.jp


◆あらすじ
19世紀、ウィーン。“優しき美貌の神父”と慕われているマクシミリアンは、凄惨な過去により心を凍らせて生きていた。 ある日、郊外で全身の血が抜き取られた死体が見つかり、調査を命じられたマクシミリアンのもとにオズワルドという司教が派遣されてくる。 彼の毅然とした優しさと厳しさに、心の檻を溶かされたマクシミリアン。知らず惹かれていくが、思わぬ出来事で彼が闇の眷属――ヴァンパイアであることを知り…。 孤独なヴァンパイアと美貌の神父の禁断愛。 ◆



雑誌掲載された異端の刻印に加筆されたものと
書き下ろしの異端の刻印IIの二部構成です。

華籐さんの美しい文章で綴られる異国モノ。
しかも19世紀後半のウィーンが舞台というのは
華籐さんらしさが溢れててとても素敵でした。

薄曇りの空を背景にしたヨーロッパの古い石造りの街並みが
頭の中で広がりました~。


神父として神に仕えるマクシミリアンは
辛い咎を心に負っています。

そのせいで、
幸せと繋がる全てを自分から排除して…。

ある意味、自分の命など捨ててしまっているマクシミリアンですが
ヴァンパイアの出現によって事態が変わっていきます。

ヴァンパイアって、寂しい生き物…
というイメージが私の中にはあります。
不老不死。
人を愛するたびに、その人の命の終焉を見届けなければならない。
永遠の時を過ごす間にいったい何人との別れがあるのだろう。

マクシミリアンの前に現れたオズワルドも
それだからこそ、誰を愛することをせずに
自分の使命のためだけに長い生を過ごしています。

オズワルドはダンピールなんですよ。
ヴァンパイアの首領ともいえる大物ヴァンパイアが父。
そして母は人間。半妖みたいなもんですねw

ダンピールとはヴァンパイアを殺す使命を持つヴァンパイア。
父を討つため、出生を隠し法王庁で司教として生きているんです。


マクシミリアン、ツンデレです~。
いえ、信者にはとても静謐な印象の神父ですが
オズワルドに対しては、やたらと食ってかかってますw

んで、オズワルドがオカンな面も持ち合わせててw
って書くと、素敵な作品がすごい下世話なイメージだけどw


もちろん、二人の間に愛が芽生えます(o ̄ー ̄o) ムフフ


オズワルドはマクシミリアンの過去を知り
その罪の意識から開放してやりたいと願い、
マクシミリアンはオズワルドの孤独を知り
それを癒してやりたいと願う。

どちらも相手のことを思いやる優しい気持ちなんですよ。
あぁぁ素敵!


オズワルドに咬まれれば
マクシミリアンもヴァンパイアとして
永遠の生を手に入れることができる。

でも、二人はそうしようとはしません。
マクシミリアンの人間としての生命がある間だけ、
二人が幸せでいられればいいと。

でも、オズワルドの父の出現によって
二人のささやかな幸せに暗雲が立ち込めます。

むぅぅ…マクシミリアン、オズの父ちゃんに

ヤラれちゃいます…。ヒドイ!

後はもうラストまで、どんどんと悲しい展開に(´;ェ;`)ウゥ・・・


でもね~オズワルドとマクシミリアンの
ラスト近くのHシーンがすごく素敵なの。

華籐さんのエ/ロは濃厚な描写がデフォなのですが
文章が美しいのでやらしさはあまりなく、
耽美な世界が広がるのです。
それに加えて、終盤のは二人の心が、
愛が、溢れてます。

お互い言葉にはしないけど悲しい運命には気づいてる、
刹那的な営みなのでなおさら。。。(〒_〒)

お互いを想うものすごく切ない気持ちが
行間からた~っぷりと読み取れて
神聖なものにすら感じましたよ~。



表紙絵のモノクロペーパーが付いてました。



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