レビュといいつつあらすじしか書いてなかったので
それは削除して、新たに書こうと読み返してみました。
最初に読んだときより
すごく胸を打たれた。。。
何故だかわかんないけども
切なかった。。。
年上の恋人 著者:岩本薫 イラスト:木下けい子
角川ルビー文庫 BL小説 2008年11月
★★★★
- 年上の恋人 (角川ルビー文庫)/岩本 薫
- ¥580
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◆あらすじ
眩いばかりに若くて野生的な6歳年下の幼馴染兼恋人の及川悦郎。しかし5年前、悦郎に告白され、熱情に流されるようにしてセ/ッ/ク/スをしたあの日から、鳴沢水城は悦郎に対し罪悪感を持っていた。実の弟のように愛しんできた悦郎の将来を考えるなら、あのとき大人の自分が彼を拒むべきだったのではないか…と。耐え切れず悦郎のために別れを切り出した水城だが!? 「なぁ……言えよ。二度と離れないって。オレなしじゃ生きていけないって」一途な年下の男×大人の男が贈る情熱的なラブストーリー! ◆
『風とライオン、きみとぼく』
『年上の恋人』
『太陽の恋人』
『風とライオン、ぼくときみ』書き下ろし
の4編で構成されてます。
攻めのセリフに『番(つがい)』という言葉が何度か出てきます。
『俺の番の相手は水城しかいない』
番って言葉、いいですよね~♪
水城は幼いころから、母と姉・風子と3人暮らしでした。
女手ひとつで子供を育てるために昼夜を問わず働く母と
奔放な性格の3歳年上の姉なので
水城が家事を担当していたのです。
で、お隣の及川さんちに子供ができた時
自分に弟か妹ができるような気持ちで楽しみにしていた水城なのです。
そして悦郎が生まれ、まるで弟のように面倒を見てました。
夫婦共働きの及川家なので
鍵っ子の悦郎にご飯を作って食べさせていたのは6歳年上の水城。
悦郎が赤ちゃんのころから面倒を見ているので
ある意味保護者の気持ちでいたのですが
高校2年になった悦郎から恋愛感情を告白され
『水城とシタイ・・・』と押し倒されてしまうんですよ。
もともとゲイだった水城は自分のセクシャリティに悩んでいて
本来であれば、悦郎を拒絶するべきだったのに
自分を抑えきれず、受け入れてしまった。
そして悦郎との恋人としての付き合いが始まり今日に至るのです。
でもその間、水城はずっと悩み続けているのです。
悦郎を受け入れてしまったあの時から
彼をマイノリティである世界に引きずり込んでしまったのは
自分の責任だと。
あの時、自分が拒絶していれば
悦郎は普通に女性と恋をして結婚をして
幸せな家庭を築いたのではないだろうか。
それを奪ってしまったのは自分なのだと
どんどん自分を追い込んでいってしまいます。
普段はクールな水城なのですが
いったんネガティブに向いてしまうと
とことん落ちていってしまうのです。
悦郎は明るくて大らかなイメージですが
内面は繊細で人の心の機微に敏感。
水城の心中にもなんとなく気づいてしまっています。
悦郎のことが好きで、とても大切で
自分にとって必要な人なのに
その心を殺してまでも離れようとする水城。
水城の心は察していても
絶対に離れたくないと、水城を求める悦郎。
すごく切ないです(´;ェ;`)ウゥ・・・
悦郎と水城、二人に関わってくるのが
水城の母、姉・風子、風子の娘・モモ、水城の仕事の先輩・佳子
そして見合い相手の美果。
恋と結婚、親子の関係
さまざまな問題が絡み合って話が進んでいきます。
水城の本心は…。
悦郎の本心は・・・。
もどかしかったり切なかったりさせられながらも
最後は感動です!
以上が『風とライオン、きみとぼく』のお話。
『年上の恋人』は後日談で
悦郎視点のお話です。
アフリカの写真を撮るのが夢の悦郎に
新進気鋭のフォトグラファー・入間から
アシスタントの話が届きます。
でも実は入間は水城の初めての男だとわかり…。
『太陽の恋人』はさらにその後のお話。
水城視点。
念願かなってフォトグラファーとして活躍する悦郎は
日本から離れていることが多い。
コンテストでグランプリを取った悦郎の授賞式で
水城は悦郎が遠く離れていってしまうような不安を感じます。
輝く悦郎を見て、男としてのコンプレックスも…。
どんな時でも水城を思いやり、包み込む悦郎が素敵です~
『風とライオン、ぼくときみ』
二人の原点である動物園でのデートですw
穏やかで幸せそうな二人のすがたに
気持ちが和らぎます~。
この作品はかなり前に『太陽の恋人』というタイトルで出たノベルズの文庫化だそうです。
そういえば、携帯電話が出てきません。
だから連絡が取れなかったりしてます。
時代が流れても人と人とのお話は普遍ですよね。
とても素敵なお話でした。
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