宵闇の契り~桃華異聞~ 著者:和泉桂 イラスト:佐々成美
幻冬舎ルチル文庫 BL小説 2009年1月
★★★★
宵闇の契り―桃華異聞 (幻冬舎ルチル文庫)/和泉 桂
¥620
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幼い頃の病で目は腫れ顔には赤黒く目立つ痣をもつ莉英は、兄・青林と共に、桃華郷に売られてくるが、容姿の醜さから下男として働いていた。
 桃華郷で、窯子の用心棒・大我と出会う。容姿は醜くとも、その心の清らかさをすぐに見抜く大我。
 兄・青林の死によって多額の借金を負い、店を追い出された莉英は男妓として生きていこうとする。そんな莉英に大我は心だけは誰にも売るなと約束させ、二人で桃華郷の頂点を目指す。


いいお話でした。

容姿の美しさは、単なる造詣だけのものではなく、内面の美しさも表している・・・


醜い顔のために、ともすれば自己卑下してしまう莉英に、大我は『卑屈になるな』と励まし続けます。
己の醜さに悩み苦しみながらも、必死に生き抜こうとするひたむきさ、他人を思いやることの出来る優しさ、そういった莉英の心の美しさが愛しくて、それを守りたくて、大我はずっと莉英に寄り添い続けるのです。

莉英は、客のために、自分に出来る最高のもてなしをすることで、どんどんと上に上り詰めていくのですが、それと共に、自分の心に芽生えてくる嫉妬や嫉みや敵意を知ってしまい、大我から距離を置き始めてしまうのです。

大我も莉英もお互いを思う気持ちは何も変わっていないのに、環境が変わっていくにつれて起きてくる心の変化から、すれ違っていってしまうのがもどかしいです。
ある意味、二人でした約束に縛られすぎてしまっています。

莉英が生きているのは、自分のためではなく、亡くなった兄の名を守るため、そして大我とした約束のため。

辛そうにしている莉英を桃華郷から出してやりたいと思う大我ですが、心が汚くなってしまったと自分を責める莉英は、心の底では大我を欲しているのに、その手を取ることができません。
大我は大我で、あいまいな優しさから、逃げる莉英の手を離してしまいます。

別れの舞いを踊る莉英の、悲しい心の叫びに、読んでる私の目頭も熱くなりました。(。ಥˇωಥ)

愛しい人の幸せ――二人とも願っていたのはそれだけだったのに、やり方を間違えてしまった。
切ないですヨ・・・

エロはエロイです(笑)
莉英に色事のハウツーを教えるのは大我なのですが、口調は冷静でもやってることはエロエロ♪
いや、口調が冷静だからよけいにエロく感じるのか?
そんな大我の手ほどきと、自身の持ち前の向上心(?)で、聚星の後を継ぐほどになる莉英なのです。

大我は、唇は客に与えるなと教えていたので、キスだけは誰ともしなかった莉英。
そんな莉英の唇を奪うことが出来るのは、もちろん大我だけです~
そんな二人なので、ちゅーシーンにかなり萌えました♡

那義は美しくかっこいい攻めの聚星が好きですが、
美麗で高ビーな受けってのも好物なので、莉英も好きです♪
ん?そしたら、聚星×莉英って、めっちゃ美しくていいんじゃないか?



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