宵月の惑い~桃華異聞~ 著者:和泉桂 イラスト:佐々成美
幻冬舎ルチル文庫 小説 2009年7月
★★★★

宵月の惑い―桃華異聞 (幻冬舎ルチル文庫)/和泉 桂
¥620
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これは桃華異聞シリーズの3作目。
これも一話完結で、どれから読んでも大丈夫ということなので読んでみました。
リンクスロマンスで発刊されている神獣異聞シリーズともリンクしています。

昨日読んだ『神子を娶る蛇』に出てきた女衒の厳信が出てきます。

◆あらすじ◆
普段押さえ込んでいる、義兄への恋心と欲情を発散させるため遊郭の『桃華郷』に通う彩夏。
だがある日、訪ねると馴染みの男妓が辞めてしまっていた。
彩夏は抱いてもらう側なのだが、抱ける男妓は数少ない。
そんな彩夏は、入ったばかりの男妓の水揚げをすることになった。
元僧侶の英簫は、男どころか女も抱いたことがなく、一から手ほどきする羽目になる彩夏。
だが、そうして英簫と体を重ねるうちに、惹かれていくようにもなるのだが、その先には辛い出来事が待ち受けています。


彩夏は気の強いツンツンしたヤツですね。
義兄に恋しているため、男妓は義兄の身代わりだと最初から言い切っています。
表情を変えず素っ気無い態度と冷たい言葉ばかり吐く彩夏。
でも英簫は、そんな彩夏の中に隠された可愛さや優しさをめざとくみつけるんですよね。
彩夏本人も気づいていないくらいなのに。


何があっても彩夏を守ろうとする英簫の強い気持ちを知り、彩夏も英簫に心を開いていくんです。
ずっと頑なだった彩夏の心を溶かしたのは英簫。
英簫自身も自分の弱さを彩夏の前にさらけ出し、そうして二人はお互いの気持ちをより一層理解していく。。。
弱さも自分の一部だと言う英簫。
そしてそれを気づかせてくれたのは彩夏だと。
素敵だなぁと思いました。

英簫が男妓ということで、仕事で客を抱かねばならず、そうとわかっていても彩夏の気持ちは穏やかではいられず。

遊郭の恋って辛いですよね。


彩夏の体を狙う脂ぎったオヤジの卓川ってのがいるんですが、コイツによって終盤、彩夏は窮地に立たされる羽目になるのです。
いったいどうなってしまうのかとハラハラさせられました。


エロも濃厚でいっぱい。
甘くて切ない恋心もたっぷり。
ショッキングな展開が待ち受けていたり。

とても楽しめました!

佐々さんの絵が優しく美しく…。
扉のカラー絵がこれまた、エロイwww
男妓に成りたてでツルリン坊主頭の英簫が、彩夏の胸に吸いついてます。
肌色率めっちゃ高い!(頭も肌色だからwww)
お店で買ってカバーをつけてもらうときは要注意ですよ(笑)



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