WELL 著者:木原音瀬 イラスト:藤田貴美
蒼竜社ホリーノベルズ BL小説 2007年2月発売
★★★★
WELL (Holly NOVELS)/木原 音瀬
¥900
Amazon.co.jp



この作品、もうBLという範疇を超えてます。
読み終わって、ちょっと固まってしまった。
これは最後まで読めない人もいるかもしれないです。
はっきり言って萌えはほとんどない。救いもありません。
好き嫌いがはっきり分かれる作品じゃないかと。


ある日、代議士の息子、亮介は、寒気と右足首の激しい痛みに目が覚める。
そばにいたのは、使用人の息子、しのぶ。高校の同級生でもある。
自宅の地下にあるワインセラーの階段を上がってみると・・・
そこは一面白い砂の砂漠だった。

ある日突然、人も街も砂漠になってしまったのです。
女性は翌日全員眠るように息を引き取り、
残されたのは男性だけになってしまいます。

何が起こったのか、
この地区だけなのか、日本全域なのか、それとも地球規模なのか、
なにもわからない。

食べ物も水もない。
そんな世界でサバイバルな生活が始まるのです。

死への恐怖があまりにも近くにある。
頑張って生き延びたら、助けが来るのかどうかもわからないまま、ただただ生を繋いでいくしかない。

足を怪我して動けない亮介は、しのぶがいなければ何もできないのに、今までの主従関係のまま、しのぶに当り散らします。
どんなにひどく当たられても、亮介の傍を離れないしのぶ。
そんなしのぶを亮介は「気持ち悪い」と。。。

極限状態における人間の醜さが、そこかしこに転がってます。
そんな中でも、理性を保とうとする人もいるのですが・・・。


読んでる間じゅう、胸が痛みました。
ここまで救いがない作品もまた、木原氏ならでは、なのでしょうね。

BL小説初心者の方には、決してお勧めできません。
王道BL小説ばっかりじゃ、ちょっと飽きる・・・とか
精神的にダメージを受けるような話が好き・・・とか思う方にはいいかもしれません。
ちなみに那義は・・・好きですwww



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