夏の塩  著者:榎田尤利 イラスト:茶屋町勝呂
夏の子供    〃          〃

大洋図書シャイノベルズ  2009年8月発売
★★★★★

夏の塩 (SHYノベルズ)/榎田 尤利
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夏の子供 (SHYノベルズ)/榎田 尤利
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榎田尤利の初期の名作が、ハードカバーになって復刊です!
この作品、大好きです。涙、涙でございました。
夏の塩の終盤で大泣きし、
夏の子供ラストの書き下ろしで感動の涙が(TT▽TT)ダァー

ストーリーについては →コチラ

不幸てんこもりの魚住真澄が、ある人物の死と、ある男恋愛をきっかけに人間として成長していくお話なのですが、『死』と『生きること』についても深く書かれてます。
主役だけでなく、登場人物たちそれぞれの物語も書かれていて、いろんなことに思いをめぐらせながら読めますよ~。

絶版になっているのを読んだ時、
ちょうど私の母が癌で闘病中で、私自身『母の死』を覚悟していた時期でした。
でもまだそのころは『母の死』が私にはまだリアリティがなくて…。

そしてこの復刊された作品を読んだ今は、
今年の春に母を亡くして『死』がリアルなものになってます。
だからいろんなことを思い出しちゃったりもしたのですが、
それと共に魚住にいっぱい励まされた気がします。

魚住が言うんですよ。
「どんなに悲しくても辛くても、何人と死に別れても、生き別れても
自分では少しも動いているつもりがなくても…前に進んでる。進んじゃう。勝手に。」
魚住自身上手く説明出来てないんですが、私なんとなく理解できるんです。
私も進もうと思ったわけじゃなく進んでるんですよね。
それが生きてるってことかなぁとも思います。


魚住の亡くなった義理の母が遺した言葉があります。
『お前の指は、なくしたものを数えるためにあるんじゃない。
出会えた人を数えなさい。
お前が出会えた、大好きな人を数えるの。その人が生きてても死んでても数に入れていいの。
出会えたことも、好きだったことも、嘘じゃないんだから、それでいいの』
この言葉、すごく好きなんです。
私も出会った人を、大好きな人を、これから先もずっと忘れないようにしたいな!


夏の塩に、『ハッピーバースデイI』
夏の子供に、『ハッピーバースディII』の書き下ろしがあります。
どっちもすごくよかったです。
『I』ではホロリ
『II』ではボロボロ泣けました。(感動で)


この作品、エロはごくごく軽いです。
エロよりも、魚住と久留米の心の揺れ動きに胸がキュンキュンと萌えます♡

BLを超えた作品だと思いますので
BLに興味がない方にも、(嫌悪されない方であれば)
小説がイマイチ苦手な方にも(とても読みやすい文章で書かれてますので)
読んで欲しいなぁと思います。
1冊1890円とお高いですがねw

そうそう!茶屋町さんの挿絵、全部描き下ろしのようです。
当時の絵より洗練された感じでどれも素敵です~!(昔の絵ももちろん素敵ですが!)
初回版だからかな?茶屋町さんの漫画ペーパーもついてました!(o ̄ー ̄o) ムフフ



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