すべてはこの夜に 著者:英田サキ イラスト:海老原由里
笹倉出版クロスノベルズ
★★★★
すべてはこの夜に (クロスノベルス)/英田 サキ
¥900
Amazon.co.jp


『すべてはこの夜に』『夏の花』の中編2本と、書き下ろし『春宵一刻』の短編1本の構成。

『すべてはこの夜に』
闇金に手を出し容赦ない取り立てや激しい脅しを受けた加持は借金返済のため、見知らぬ男から持ちかけられた報酬100万の仕事の為、ある男を拳銃で撃ちにいく。

そのターゲットは、大学時代に付き合っていた男、湊だった。
狙撃に失敗した加持は、ヤクザになっていた湊に逆に捕らえられ軟禁されてしまいます。

過去からの憎しみが交錯して、なかなか分かりあえない二人が切ないです。

ラストがショックでした!(T_T)


『夏の花』
湊の部下・武井はノンケなのですが、過去に一度だけ愛した男の話。

ヤクザの武井は、殺人の罪で収監されていた刑務所を出所後、武井の服役中に亡くなった姉の結婚相手を訪ねる。

亡き姉の夫・靖之は、もともとゲイなのですが、友人から武井の姉・麻子を紹介され付き合い始めたのです。
ゲイの靖之は女を抱くことはできず、麻子は過去のトラウマから男に抱かれることができない。
それでも精神的に惹かれあい愛し合い結婚。

姉がなくなったあともずっと姉のことを愛しみ続ける靖之に武井は心打たれます。
そんな折、不注意から階段から落ちた靖之が腕の骨を折り、武井が身の回りの世話を引き受けるのです。
靖之の家で一緒に過ごすうちに、靖之が武井に惹かれ始めます。


『すべてはこの夜に』は、英田氏がデビュー前に発行した同人誌作品が『小説June』に掲載されたもの。
『夏の花』は事情によりお蔵入りしていたもの。
それをクロスノベルズがサルベージして発刊されたそうです。


書き下ろし『春宵一刻』は・・・にやにやしながら読んじゃいました。
大きなネタバレに繋がるので詳しくは書きませんがw



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