異次元緩和を批判する藤巻健史の異次元 藤巻氏を当選させるな | 独立直観 BJ24649のブログ

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藤巻健史が日本維新の会から出馬か・・・。
https://j-ishin.jp/election/councillors/candidate/03.html
この男は、日本維新の会の候補者の中で、最も落選させるべき者の一人だろう。


藤巻健史は、反アベノミクス論者の有名人だ。

藤巻氏は、以下の論考を発表した。

「アベノミクスは失政」ハフィントン・ポスト2013年6月26日<藤巻氏執筆>
http://www.huffingtonpost.jp/takeshi-fujimaki/post_5045_b_3499918.html
「私は、最近、日本維新の会 参議院比例代表 第63支部長となり、政治の世界に足をふみ込むべく決意をした。理由の一つは、アベノミクスは失政であり、今後市場の大反乱が起きると思うからだ。それなのに現在、かじ取りをする日本の政治家の中には、失礼ながら、マクロ経済のプロが極めて少ない。経済のプロはいると言っても、企業経営というミクロ経済のプロか、または市場のレフリー役の経験者にすぎない。これではマーケットが動揺した時、見えない影におびえて右往左往するだけだ。今の日本の政治は、血を見ただけで大騒ぎする私に、脳外科の手術を託しているのと同じである。
私はマーケットでプレーヤーだった人間だ。それも世界に冠たると言われたモルガン銀行時代での実績ならだれにも負けない。その経験は、今後予想される市場の混乱を考えると、極めて貴重なものだと僭越ながら信じている。
今回は、その私が、なぜアベノミクスが「百害あって一利なし」と思うかを書いてみる。(以下略)」

藤巻氏は、思いっきり、アベノミクス反対である。
藤巻氏は、「日本の政治家の中には、・・・マクロ経済のプロが極めて少ない」ことを問題視する。
「極めて少ない」ということは、「全くいない」のではないのであり、少人数でもプロは存在するということになる。
藤巻氏のいうプロとは、具体的に誰を指しているのか、気になるところではある。

藤巻氏は、マクロ経済のプロが少ないという問題の解決には、「マーケットでプレーヤーだった人間」であり、かつ、プレーヤーとしての「実績ならだれにも負けない」自分が議員になることが適切であると言う。
つまり、「レフリー」ではなく「プレーヤー」である自分こそが、ルール・メイキング(立法府)の適任者だと言っているのだろう。
こんな理屈が成り立つのか、疑問ではある。
藤巻氏の発想は、勝ち組が政治を担うべきというものだが、勝ち組は自分が勝てた環境を変えようとは思うまい。自己否定になるからだ。
藤巻氏が、自分は勝ち組になったが今の経済環境はおかしい、という主張でも展開していれば話は別だが、そういう話は聞かない。
むしろ、経済環境を変えようというアベノミクスを阻止するべく、持論を展開している。
今の日本は、勝ち組・負け組の格差縮小が課題であり、また、世界経済を混乱させた金融を見直すべき状況にある。
こういう日本で、金融で勝ち組になった藤巻氏が、ルール・メイキングの適任者かどうか、大いに疑問だ。

「市場のレフリー役」は誰を指しているのか、具体的にはわからないが、元大蔵官僚や元日銀職員を指しているのだろうか。
だとすれば、同じ日本維新の会から出馬する中山恭子議員(元大蔵官僚)を後ろから狙撃するような発言にも見える。
ちなみに、中山議員は、アベノミクスの基本的方向性は正しいとする立場だ。

藤巻氏は、「(1)「異次元の量的緩和」は効果が無い」「お金をジャブジャブにした2001年から今年4月までに「円安は進んだのか?」「景気は良くなったのか?」と問うと答えは明らかにNOだ。」という。
つまり、藤巻氏によれば、金融緩和をしても冷え込んだ景気は熱せられず、デフレ不況脱却には結びつかないということだ。

ところが、直後に、藤巻氏はこういうことも言う。
「(2)「異次元の量的緩和」にはすさまじい副作用がある」「インフレが起きた時のブレーキがないのだ。結果、ハイパーインフレになってしまうのが歴史が証明するところだ。」。
(1)で金融緩和をしても景気は熱せられない旨を言いながら、(2)で金融緩和をすると景気が熱暴走するという旨が述べられる。
(1)(2)で、矛盾する内容が並べられている。
なお、「歴史が証明する」というが、金融緩和を積極的に行っている欧米ではハイパーインフレは起きていない。

藤巻氏の脳内こそが異次元であり、不合理だ。
こんな男に政治を任せてはいけない。

藤巻氏は、メディア出演が多く、知名度が高い。
私は、NHKの「英語でしゃべらナイト」の藤巻氏出演回を見て、藤巻氏はリーマン・ショックで売り抜けた金融取引の達人、というような紹介がされていた覚えがある。
しかし、藤巻氏は、三橋貴明氏や上念司氏によって、厳しく糾弾されている。

三橋貴明「経済の自虐主義を排す 日本の成長を妨げたい人たち」(小学館)200ページ以下

経済の自虐主義を排す: 日本の成長を妨げたい人たち (小学館101新書)/小学館
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日本破綻論はカタストロフィ・ビジネスだ
(中略)昨今の我が国の書店では、「財政破綻」「国債暴落」系の書籍がますます増えてきた。ここ数年の書籍を並べるだけで、こんな感じだ。
(中略)2011年6月発売「マネー避難 危険な銀行預金から撤退せよ!」(藤巻健史<著>)
(中略)2012年8月発売「日本大沈没」(藤巻健史<著>)
 彼ら財政破綻論者たちが許しがたいのは、散々に「国債暴落」「円暴落」「日本経済破綻」などと国民を煽りつつ、印税は普通に日本円でもらっていることだ。恥ずかしくないのだろうか(別に、恥ずかしくないのだろうが)。筆者が本気で日本が破綻すると思ったなら、日本円での報酬は拒否する。ドルかユーロでもらう。
 要するに、彼ら財政破綻論者のやっていることは、ノストラダムスの大予言と同じ「カタストロフィ・ビジネス」なのだ。
 「国債が破綻しますよ。怖いでしょう。だから、私の本を買いましょうね~」
というやつである。しかも、彼らはノストラダムスの大予言で子供を騙し、大儲けした五島勉氏に比べ、極めて悪質だ。五島氏の「ノストラダムスの大予言」(1973年)は、少なくとも「人類滅亡」というカタストロフィの時期(1999年7の月)を特定していた。
 それに対し、現在のノストラダムスたちはカタストロフィの時期を先送りしてくる。これを「詐欺」と呼ばずして、一体何と呼べばいいのだろうか。」
バカと自虐主義者の言説を信じてはいけない
(中略)藤巻氏も小黒氏も、「財政破綻」について当初は「政府のデフォルト」と定義して話をしていた。それが後半になると、見事なまでに定義が変わってしまっているのである。
 「日本国債のデフォルトは日銀が大量にお札を刷って買い上げれば回避できる。しかし、こうしたやり方は過去の事例を見ても間違いなくハイパーインフレーションを起こしているのです」(藤巻氏)
 藤巻氏は、例により「現実」も「過去の事例」も見ていないハイパーインフレーション論(インフレ率13000%)を振りかざし、挙句の果てに自ら「日本国債がデフォルトしない」ことを認めてしまっている。日本政府の負債が100%日本円建てである以上、デフォルトしないのは当たり前なのだが、それにしても根性がない。どうせなら、
「自国通貨建ての国債であっても、デフォルトする」
という、超時空的なファンタジック理論を展開してもらいたかったものである。」

ちなみに、2冊も著作を取り上げられているのは、藤巻氏だけである。

上念司「「アベノミクス亡国論」のウソ 投資シミュレーションで読み解く「復活」の根拠」(イースト・プレス)28ページ以下

「アベノミクス亡国論」のウソ 投資シミュレーションで読み解く「復活」の根拠 (知的発見! BO.../イースト・プレス
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国家破産本のウソ②・・・・・・定義の曖昧さ
(中略)たとえば、最近、「ひとたまりもない日本」(朝日新聞出版)でひとたまりもない日本破産論を披露している藤巻健史氏ですが、彼の日本破産の定義はブッ飛びすぎています。

 ガラガラポン(引用者注・国債暴落)が起きてからしばらくすると大幅円安で日本は再生します。しかし、第5章で述べたように、その直後は大変な混乱が日本を襲います。一番可能性の高いのはハイパーインフレですから、(以下略)(同214ページ)

 藤巻氏によれば、ある日突然、国債が暴落すると、超円安になって、いったん日本経済は復活するそうです。「じゃあ、それでいいじゃん!」と思った人、それは甘いです(笑)。藤巻氏によると、その後、「ハイパーインフレ」が突然襲ってくるらしいのです。しかも、それがいつなのかは藤巻氏にもわからないらしいのです。すごいです。
(中略)景気が過熱して物価上昇率が2%を超えて上がってしまうような場合、中央銀行は利上げをします。
(中略)すると、企業は借入にコストがかかるので、設備投資を抑制します。(中略)普通の中央銀行は、こうすることによってハイパーインフレになる前に物価を下げられるのですが・・・。
 藤巻氏は現実世界で何が起きているのかということより、自分の頭のなかにあるファンタジーが優先するのでしょう。だからこそ、厳密な定義など必要ないわけです。藤巻氏はかなり極端な例ですが、だいたいの国家破産本がこの程度です。」

藤巻氏は、現実を見ず、異次元に入り浸り、日本銀行の黒田東彦総裁の異次元緩和を批判している。

藤巻氏の反アベノミクスの主張を見ていると、「自民党の反対をやればうまくいく」などと言っていた、政権交代前の民主党を思い出す。
そして、民主党は詐欺的なマニフェストで政権をかすめ取り、民主党政権はデフレ不況と円高を悪化させ、「日本大沈没」に向かわせた。
そう考えると、藤巻氏を当選させると、「ひとたまりもない日本」に向かっていってしまうのではないかと、懸念するのである。