中国人も知らない中国の歴史 | 新書野郎

中国人も知らない中国の歴史

中国人も知らない中国の歴史 (ベスト新書)中国人も知らない中国の歴史 (ベスト新書)
島崎 晋

ベストセラーズ 2010-05-08
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よく分からんが、著者は歴史とか宗教の入門ものを手がけている人らしい。まあベスト新書向け作家であろう。中国人は歴史に関しては日本人の言うことなど聞く耳持たずだろうが、中国の歴史は歪曲されたものというより、「正史」を誰が記録するかということが歴史の本質であろう。その場合中共ん十年の歴史は後世の民主化勢力か、民族主義勢力によって「正史」が書かれることになるのだろうが、毛沢東評価はどっちに転ぶかによって分かれるだろうな。中国人も知らない中国の歴史というタイトルはちゃんと由来がある様で、著者の立教大時代の教師である戴国煇と関係があるらしい。戴国煇を中国人とするのは本人的にも妥当かと思うが、戴が授業の際に西太后はアメリカにレイプされたということを何度も口にしていたという。このことに言及している書物は中国はもちろん欧米でも皆無とのこと(著者調べ)なのだが、ホンマかいな。何でも義和団事変の際に西太后は紫禁城に留まり、突入した米軍兵士にレイプされたのだとか。西太后は当時64歳で、アジア系だから若く見えたというが、鬼畜米兵だから何でもレイプという訳でなく、象徴的な意味でレイプされたのだという。その後始末の交渉で清朝と米国の間に入ったのが日本人の服部宇之吉だそうで、米国はそのことを考慮して清朝からの賠償金を例の清華大の元祖となった中国人の米国留学準備に当てたのだという。よく中国人の対米感情と対日感情が大きく違うのは戦争はもとより、この賠償金の使い道が日本と米国では大きく違っていたからという理由を指摘する中国人が多いのだが、こんな背景があったなら違うのは当たり前だ。ともすれば中国が誇る世界の頭脳、清華は米兵に国の皇后が犯された結果誕生したという中国にとって国恥この上ないものになるのだが、この話は中米タッグで日本の陰謀にさせるんだろうね。