進化するグーグル | 新書野郎

進化するグーグル

進化するグーグル (青春新書INTELLIGENCE)進化するグーグル (青春新書INTELLIGENCE)
林 信行

青春出版社 2009-01-07
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ちょっと気がついたんだけど、グーグルとアップルは盛んに新書のテーマになっているのだけど、マイクロソフトを扱った新書というのは読んだことがない。この本を含めてグーグルもアップルのソレも、会社の意向を汲んだPR本であることは間違いないのだけど、MSはもはや、そんなものを必要としない位置にあるのか。ビルゲイツの提灯本は幾つか出ている様だが、MSの内情を扱ったノンフィなどもあまりお目にかかったことがない。市場で独占的地位を握ってしまえば、PRもそれほど必要ではなくなるし、むしろ逆効果になるのかもしれない。もはやMSはITの旗手と言うより、帝国主義者として見られているのだが、その意味では、「反帝国」イメージが使えるアップルに対し、グーグルは新たな帝国として「反帝国主義者」たちに挑戦を受ける身になってしまっている。グーグル八分からストリートビューと消費者の思わぬ抵抗は始まっているのだが、それを補って余りある革新イメージを創り出さねばならないというプレッシャーは相当なものだと思う。その点、基幹部門を押さえたMSとの差は顕著である。進化せねば生き残れないグーグルはMSと帝国の棲み分けをやめて、帝国同士で大戦になってほしい。その廃墟から革命勢力が台頭してくるというものだ。