中国発世界恐慌は来るのか? | 新書野郎

中国発世界恐慌は来るのか?

中国発世界恐慌は来るのか? (角川SSC新書 44)中国発世界恐慌は来るのか? (角川SSC新書 44)
門倉 貴史

角川・エス・エス・コミュニケーションズ 2008-07
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何かほとんど毎月出ている様な感じもする門倉新書だが、角川SSCは初めてかな。さすがに中公や岩波からはまだお呼びがかからないみたいだけど、着々と穴を埋めている感じで次はPHP辺りか。中国は同業者も同種本もヤマとあって、インドみたいに誤魔化しが効かないだろうが、新書帝王としては、今年の北京商戦には参戦せずにはいられないだろう。結局、中国発世界恐慌ではなく、米国発世界恐慌が刻々と進んでいる今日この頃だが、五輪終了後も、上海万博まで大きな経済変動はないという著者の予測(というか極めて一般的な予測)はまあ間違いないところではあろう。ただ、自分の携わっている業界では、予想されていた五輪後の景気後退が、かなりのスピードで進行していることを感じる。これも五輪開催国の恒例ではあるそうだが、こう波が激しいと、先行きも見えなくなるのが中国経済。意外とみんなチャイナ+ワン対策は準備していたみたいで、すんなりシフトしている所も多いのだが、今後は心中してしまうトコも出てくるのではなかろうか。さすがに他のBRICsの様に明るい見通しは書いていないのだが、政府も外資受け入れ体質からの構造転換を図っている折だし、御用学者があまりにイケイケドンドンみたいなことを書いきて、逆に「中国脅威論」を助長してしまったということもあろう。お手軽な入門編としてはこんなトコで良いだろうと思うのだが、本人はどこまで書いた(話した)んだろう。中国出張中に機内で英字新聞を読んでいたら、隣の客がイキナリ取利上げて読み始めた。中国人はマナーがなってないとう記述がある。まあ事実ならその通りかと思うのだが、これって、座席ポケとかに新聞を入れてたんじゃないのかな。幾ら中国人(ましてや飛行機に乗って英語が読める様なヤツ)でも人が読んでいる新聞をイキナリ取り上げて自分が読むなんてことはないと思うのだが、新聞とか雑誌は公共のもので、私物としてカバンとかに入れておかない限り、誰でも勝手に取って読んでいいというルールは中国には存在する(した)。
★★