このブログでも何度か取り上げたジャパン・ティッシュ・エンジニアリング㈱様が07年12月21日にNEOに上場することになりました。何でわざわざNEOで上場したのか等、興味深々な部分はありますが、まずは業界の末席に連なるものとしてお祝い申し上げます。

ところで新聞記事を読むと業界関係者の談話として恰もバイオベンチャーがこれで復調するかのような話が紹介されています。確かに筆者が知っている方の中にも同じような感じで話しておられる方もおられましたから、まぁ取材でもそんな風に話をされたのかも知れません。

しかし同社を以ってバイオベンチャーの復権、というのは些か早計ではないでしょうか?同社の社員の方々がここまで漕ぎ着けるのにどれだけ苦労されたか、恐らく想像以上だと思いますし、その事については素直に賞賛に値すると思います。

とは言え同社レベルまで事業が進展している会社はまだまだ少数派ですし、加えて国の支援も大きかったと思います。通常、この手の最新技術で製造承認を取得しようと思ったら15年位はかかります。それに対して同社の場合、企業として形をなしてから凡そ9年、技術の話が出た時点から起算すれば10~12年位で漕ぎ着けたそうですから如何に早かったのかが分かります。

誤解のないように補足しておくと、同社だって製造承認を得る直前の段階では確か3年程、費やしていたと記憶していますからその間はうんと苦労されたと思います。ただ同じ技術を地方の中堅医療機器メーカーが申請したと仮定した場合、果たして厚生労働省が同じように承認申請を出したのか多いに疑問です。

要はここで言いたいのは、ここまで官民挙げて支援した会社ですら上場や製品上梓までに10年はかかるという事実です。引き続き官民挙げて、良い技術には積極的に支援を続けて欲しいし、我々業界で働く人間も切磋琢磨していかなければなりません。

何だか教条的な話になってしまいましたね。ま、偶にのことなのでご容赦下さい。末筆ですが、J-TEC及び同社のステークホルダーの皆さまには、重ねてお慶び申し上げます。