【本文はTwitterに投稿した拙文の転載です】


あけましておめでとうございます。例年ならBlogで新年度の業界予想を書いているのですが、今年は完全に足を洗ってしまった事もあるので止めておくつもりでした。が、何人かの知人から少しでも書け、と言われたので趣向を変えてTLで上げてみるとします。

#2011BV

posted at 16:39:38

1.去年の予想「業界再生の可否が決まる年」について:

結果は外れたと思う。理由は再生への動きは遅々としており、可否が決まるまでに至っていないからだ。もっとも再生スキームが構築出来なかった事をシビアに見れば否に結したとも言える。楽観できる状況ではないだろう。

#2011BV

posted at 16:39:49

2.EXIT環境(1)「着実に好転」:

セルシードのIPO、UMNファーマシ&アステラス、オンコリスバイオファーマ&BMSのディール等が2010年の大きなTOPIXだった。改めて個社には敬意を表したい。しかし産業全体としてEXIT環境が好転したという状況ではない。

#2011BV

posted at 16:39:56

3.EXIT環境(2)「IPOは依然、厳しい環境」:

無論、糞詰りを解消しようという動きがある。が、未公開株式詐欺の抑止や会計基準の変更等によって要求されるレギュレーションは依然として厳しいままであろう。恐らく、2011年も多くても3社に留まるのではないだろうか?

#2011BV

posted at 16:40:08

4.EXIT環境(3)「提携は加速」:

大手製薬等とのM&Aやアライアンスも動きはある。否、水面下ではかなり活発だ。特に先述したオンコリス&BMSという具体的な事例が出た事は大きい。2011年も引き続き大型のアライアンスが成約する可能性は充分にあり得る。

#2011BV

posted at 16:40:13

5.BVの現状(1)「二局化」:

永く、今も続く厳冬を生き延びているBVも二局化が進んでいる。リビングデッド化や運転資金に汲々している負組と楽ではないけど着実に成果を得つつある勝組である。ただディールメイク前のBVに対する投資意欲は依然弱い。勝組と言えど要注意だ。

#2011BV

posted at 16:40:20

6.BVの現状(2)「企業化が課題」:

資金調達やアライアンスに向けた活動は現時点で行われていて然るべきである。しかし先の負組は勿論、勝組でもIPO先送りの代償で経理や内部統制がややもすると劣化させている会社も散見する。この辺りの改善は隠れた課題となるであろう。

#2011BV

posted at 16:40:26

7.BVの現状(3)「人材の流出と滞留」:

資金の枯渇からBVを去る人材は少なくない。一方で新たに参入してくる人材は極めて少ない。折角のリストラも指揮官が変わらない為に単なるコスト削減で終わるケースは少なくない。2011年も引き続きこの問題は避けて通れないだろう。

#2011BV

posted at 16:40:31

8.処方䇳(1)「スクラップビルド」:

有り体に言えばリビングデッドを速やかに退場させ、イケてるBVに注ぎ込む事に尽きる。具体的にはセカンダリーパーチェスやREITの様なシーズ毎の証券化がそれらを促す事になろう。

#2011BV

posted at 16:40:37

9.処方䇳(2)「規制緩和①」:

1つは治験や承認申請の要件を緩和する事だ。実際、製薬は勿論、BVでさえ海外でR&Dを行なう等、日本は完全にスルー状態である。無論、人種間の差がないとは言わない。ただ早急に流出に歯止めをかけねば国内での創薬能力は失われる事であろう。

#2011BV

posted at 16:40:42

10.処方䇳(3)「規制緩和②」:

もう1つはIPOの要件緩和だ。現状の過剰な投資家保護ではなく、リスクの啓蒙こそが必要な事だと思う。ハッキリ言って、必要な資金を調達出来ない市場なんかクソの役にも立たない。一刻も早い海外並みの規制緩和が望まれる。

#2011BV

posted at 16:40:47

11.処方䇳(4)「新規創業の促進」:

周知の通りBVの起業数は激減している。中長期的にここ2~3年の起業数激減は、R&Dの停滞という形でボディーブローのように効いてくる事だろう。勿論、だからと言ってかつてのように数さえ創業させれば良いと言うものではないが。

#2011BV

posted at 16:40:52

12.処方䇳(5)「海外展開」:

市場は全世界というのが当たり前の時代になって久しい。戦後の商社マンだって英語がペラペラだった訳じゃない。習うより慣れろ、である。いい加減、内資•外資の呪縛から解き放たれていいと思う。最適解が整い易い国に進出も処方䇳となるだろう。

#2011BV

posted at 16:40:58

13.終わりに:

1つ1つは最高品質を誇っているのが日本のBVである。資本政策とグランドデザインを適切に描けば、米に勝てずとも次点は目指せる。逆にこのまま拱手傍観が続けば中国が台頭し、あっという間に凋落する事だろう。今が正に分水嶺。元気を出して行きましょう。

#2011BV

posted at 16:41:04

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個人投資家がいる場合のIPOを禁止します、という改正案を日本証券業協会が出した。しかもかなりコッソリと。規制当局ではなく、日証協の自主規制と言う辺りが実にイヤらしヤリ口だ。

日経では6/29だったかにおっとり刀で記事にしていたが、実はTwitter上では、先月の中旬からコメントが相次いでいた。筆者も反対意見を表明していたし、パブリック・コメントにも投じた。折角なので、ブログにもほぼ原文のまま載せておく。かなり早くに頭に来ながら打ったので何時も以上の乱文であるがご笑読いただけると幸甚だ。


案件:新規公開前に行われる不適切な自己募集を規制するための「有価証券の引受け等に関する規則」等の一部改正について

意見:改正案の廃案

理由:
(1) 改正案の本旨は、未公開株式の売買詐欺が頻発したことに対応した抑止案だが、まず投資に対する前提条件自体が誤認していると思われる事。本来、投資の前提は次の通りと考える。

① 投資判断は、血縁に拠るのではなく、事業内容とリスクを理解しているか否かが第一義である事。
② 仮に血縁を理由にリスクを理解せず投資した場合でも、損を許容できる範囲で投資するのが前提である事(※無論、悪意のある詐取で損が発生した場合の求償は当然の権利です)。 

(2) 改正案では、未公開株式の売買詐欺を抑制力にはなりえない事。理由は下記の通り。
① 仮に株券等の発行に対するものであれば、株券不発行のケースに対しては、対象外となる。現在未公開会社の多くは株券不発行会社であるため
殆ど、規制の対象外となる。

② 逆に株券発行の有無に係わらないという事であれば、投資事業組合経由にする等、抜け道があるために、規制の効果はあまり期待できない。

(3) さらに本改正案では、ただでさえ萎縮している直接金融を更に退縮させる可能性が高い事。
① 現在、上場会社の多くは、その上場時に経営陣とは血縁のない個人株主が少なからず名を連ねている事からも分かるように、ベンチャーの資金調達に個人投資家の存在は、極めて重要である。本改正案では、こうしたエンジェル投資家の投資を禁止する措置であり、ベンチャーの資金調達に大きなダメージを与える事になる。

② 有価証券届出書があれば例外、とあるが、実際には有価証券届出を作成したところで対象者以外からの提出を受理する義務がない。従って個人投資家が形式を整えようとしても例外とはなりえない可能性が高い。

③ 当初は上場を考えていなくても、事業の進展に伴い、資金調達の手段として上場を考えなければならなくなったケースも少なくない。今後、そうした判断をする時に、昔から投資している個人投資家に「IPOの足枷になるからウォッシュアウトします」 という事が許されるのか?
逆に個人投資家が存在するが故に株式公開が認められないのであれば、資金調達の手段を狭めることになる。

以上の理由から改正案には反対を表明します。

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