一口にバイオベンチャーと言っても分野は多種多様です。その中でもマスコミの方々が比較的興味を持ち易いのが創薬系のベンチャーさんです。

確かに調達する資金だってスタートやアーリーですら10億円以上というケースが多いですし、技術的にもユニークなものが少なくないですから、記事として取り上げるには格好の材料だと思います。

でも中には創薬好きが高じて、

(創薬に非ずんばバイオベンチャーに非ず)

なんて感じの記者さんもおられるようです。実際、当社に取材に来た記者さんの中にもそうした方がいました。

取材に来た筈なのに

バイオベンチャーの花形は創薬かSNPs、メタボロームなんかでしょう!それをやらないなんて信じられない!良いですか…

等とこちらの話を殆ど聞かず、逆に1時間近くアジった挙句に

ま、本気でバイオをやるようになったらまた取材には来ますけどね

と言ってお帰りになられたツワモノです。

もちろんココまで豪快な記者さんはこれまでお目にかかったことはありません。恐らく今後もないんじゃないかと思います。
しかし本当に創薬をやっていないと知った時にガッカリした表情をされる記者さんは、何人もおられるのも、これまた事実です。そう言えば書いていて思い出したのですが散々、根掘り葉掘り聞いた挙句に、

どこか面白そうなベンチャーさんを知りません?創薬とか遺伝子とか御社とは畑違いで全然、構わないんですけど

と聞いてきた記者さんがおられました。オチもしっかりありまして、こちらが忌憚なくおすすめした創薬系の某社さんに取材に行き、当社が載るはずだった回に某社さんが取り上げられた、なんて事もありました。

さすがに失礼極まりないのでクレームを申し入れたところ、取材時とはうらはらにかなり好意的に書いていただいたので、結果オーライですが、やっぱり記者さんたちは創薬がお好きなんだなぁー、と思ったものです。

とは言え記者さんたちには申し訳ないのですが、こちらとしては今ある業務を粛々と進める他ないんですけどね。