テクニックvol.21 クロスバイクで坂道を楽に上るコツ | Cycling Wonder

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プレスポで行く神奈川の道

備忘録のつもりで書き留めたテクニックシリーズ。
見ていただけるだけでありがたい。
参考になるかどうかは保証の限りではないけれど。(^ 。^)ゞ
久々に新ネタを更新する。


 

■坂道を楽に上りたい
私の通勤路には上りと下りの坂がある。
どちらも150~200m程度で勾配は8%くらいだと思われる。
私の”考える坂道”である。

 

プレスポに乗り始めの頃は「上れるけど、疲れる」だった。
ダンシングもうまくできなかったので、シッティングでグイグイ漕いで上った。
上り坂を上がると、大抵小学生の通学監視員のじいさんがいるので、涼しい顔で通り過ぎるのだが、内心はグッタリしてた。
「朝からつらい」(´ヘ`;)ハァ

「楽に上る方法はないかな」
いつも思っていた。

p03
↑私の”考える坂道”(こちらは帰りに上り坂となる方8%くらいと思う)

 

 

■新城幸也の衝撃
ヤビツ峠TTの攻略法を研究していた時、世界の第一線で活躍中の新城幸也さんが表ヤビツを走る動画※を偶然見つけた。
”ヤビツTT攻略法の研究(その2)”にも書きましたが

>新城選手のライディングフォームで驚いたこと
>①平坦も坂道もまったく同じフォームである。坂の姿勢を平らにしてもまったく変わらない。
> →上りではサドルの前のほうに座り直して踏むものと思っていた。
>②前方前をしっかり見ている、下を向かない。
> →やろうとしてもなかなか出来ない、下を向いてしまう。

どうやったらこんな事が出来るのか、日々試行錯誤を続けて来たわけです。

■坂道を楽に上るコツ
速くはないが、出来るだけ疲れないで坂を上る方法を見つけました。

「ペダリングする姿勢は重力を意識すること」
です。

平地で自転車に跨った状態を考えると、下図のようになります。
p01
青色が重力で緑色が推進力です。
前方向に進むためには、クランクの上死点から真横(緑色)
に力が掛けられれば一番良くて、真下(青色)は意味がないですね。
通常の場合は赤色の踏み力で進むと考えられる。

背中に△印あたりが、重心の上になる。

 

 

※クランクを文字盤に例えて11時から1時に踏み込めと言うのは、まさにこの緑色の力を意味してますね。しかし、ロードバイクのようにシートチューブが後傾していないクロスバイクでは出来ません。
どうしても下方向への踏み込みが強くなってしまう。

このまま坂道に入った場合、乗り手と自転車と地面(傾斜)の関係が平地のままでは乗り手が後ろ荷重となり前後のバランスが崩れ前が浮いてしまいます。

乗り手は、少し前屈みに姿勢を変えてペダリングします。
この坂道での姿勢の変え具合がポイントなのです。


p02

乗り手と重力の関係性で考えると、平地の姿勢と坂道では変わらないんです。
平地の時と自転車の傾きは異なりますが、BB付近で見れば同じなんですね。

つまり、重力を意識した平地の姿勢であれば、坂道になっても姿勢はあまり変えなくても良いのです。
(サドルとの関係が変わるので、少しは変化しますよ)

■ペダルへの踏み力
ペダルの踏み方は重力の方向と傾斜の真中に足を突き出すように踏みましょう。

①坂道にきたら、屈みたい気持ちを抑えて、意識的に体を起こす。
②重力を意識して平地と同じ感覚で姿勢を調節したら、気持ち腰を後ろに置く。
(ちょっと後ろに腰を移すと足を前に蹴りやすくなるので)
③坂の傾斜と重力方向のちょうど真中を狙って、踏み足を出す。
大体クランクの12時半から1時の所(上死点よりちょい前)から2時方向に強く足を伸ばす。
(なるべく下向きには踏み込まないで、前に蹴り出すんです)
④踏み込みの1ポイント③だけ力を掛けて、後は普通にペダリングする。

坂道では、体重を効かせて3時の位置のペダルに踏み込むと強い力が出ると思われるが、これが一番楽かというとそうでもない。
3時の状態で下向きに力を加えるのは、坂道で青色の重力をより強くしているのと同じであり効率が考えると楽とは言えない。

■まとめ
自転車に乗る姿勢を”重力との関係を意識した姿勢”にする事で、上り坂を楽に走れるのです。
地面ではなく地球の上を意識してみてください。
スピードは落ちますけどね楽になりますよ。

体で一番重量の重い頭を前に行かせず、かといって後ろにも行かせない場所と考えると重点の真上(重力の方向)が一番良い。
ここが一番無理が掛からないで楽に走れるポイントだと思う。

12or3%程度の勾配までなら楽に上れると思います。
それ以上は”激坂”になりますので、必死にダンシングで上ってください。
一応シッティングもダンシングも基本同じなんで、適当に姿勢を交代すると良いでしょう。

あんまりやりすぎると前腿がつりますので、やりすぎには注意ください。

(─────┬─────__─────┬─────)
長~い目で見てね。



◆続けて、こちらも見て頂けるとうれしい。

テクニックvol.22 続・クロスバイクで坂道を楽に上るコツ
http://ameblo.jp/binetu-chunen/entry-11994229062.html


乗車スタイルの解説や手法にはいろいろありますが、私は「竹谷式」をお薦めする。

一番理にかなっていると思うからです。

形(スタイル)の説明なら、どのやり方でも構いません。(クランクの回しやすさは人によって違うから)

ただ状況に左右されない法則として知っておくべきとなると「重力を意識する」乗り方が一番正しいと思うのです。




■参考URL
※新城幸也さんが表ヤビツを走る動画。大変参考になります。
私は俳優の鶴見辰吾さんが所属するチームLEGONの"ニュースアーカイブ(074)"
で見たんだがYouTubeにMP4版がアップされている。

 

新城幸也、ヤビツアタック その1
https://www.youtube.com/watch?v=bPCJfGIX2GA

新城幸也、ヤビツアタック その2
https://www.youtube.com/watch?v=8SvNO_W3c04

新城幸也、ヤビツアタック その3
https://www.youtube.com/watch?v=qWcqRoSr4CU

新城幸也、ヤビツアタック その4
https://www.youtube.com/watch?v=COasBdvOROo

新城幸也、ヤビツアタック その5
https://www.youtube.com/watch?v=t_Cl1t2e0oE

新城幸也、ヤビツアタック その6
https://www.youtube.com/watch?v=DpV62MOZVCo