激安価格で10速化する!低予算チャレンジの結果は…??? | 自転車で糖尿病を克服した!

激安価格で10速化する!低予算チャレンジの結果は…???

さて、前々回の記事で書いた、「ピナレロくん」ことピナレロ・アングリル(後のFP1とほぼ同じ仕様)の10速化プロジェクトがいよいよスタートしたらしい。

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【解説】
ロードバイクにあまり詳しくない方のために解説しておくと、ウチにあるピナレロAngliru(2007年モデル)というロードバイクはシマノのティアグラというグレードのコンポーネントを装備している。このコンポ、実はリアの変速が9速なのだ。今のご時世、一般的なデフォルトで言えばリアは10速だろうと思われる。(イタリアの某コンポメーカーなどは11速を出しているが、それはまた別のテーマなので今回は触れない。)今回はピナレロくんのリアをなんとか現代の標準である10速にすべく、遅まきながら大改造作戦に乗り出したというわけだ。
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お前にかけられる金額など、逆立ちしたって2万円が限度いっぱいだ!というチームの監督からの厳しい言葉通り、キッチリと2万円の予算がピナレロくんに支給された。

「新人の『方式六号』ことシステムシックスにはもっとたくさんの予算を使ったじゃないか…」という「羨望の思い」をぐっとこらえ、ピナレロくんはレギュラー奪還を目指し、いよいよ手術台に登ることとなった。

そう、今回のレポートはちょっとした移植手術のお話だ。

医師とピナレロくん、そして親切なコーチという3者での相談の結果、今回の低予算手術のために用意された移植用臓器…いや違った、移植用パーツは以下の3点だった。

自転車で糖尿病を克服した!-10速化用のSTIレバー、スプロケ、チェーン
今回のプロジェクト用には、ピナレロくんのプライドに考慮してできる限りグレードの高いパーツを揃えることとなった。まずチェーンは当然ながらシマノの最高級グレード、デュラエースの10速用。スプロケットはさすがにデュラだと予算オーバーの恐れがあるのでアルテグラグレードの10速用12-25T。そして問題のSTIレバーは、シマノのグレード外10速用シフターST-R700ということとなった。もちろん購入されたSTIレバーは片方(右側)だけだ。両側を揃えるなど、今回のプロジェクトに限って言えば贅沢きわまりない! 絶対に2万円を超えてはならない!という厳しいチームの制約がある以上、ピナレロくんにはこの選択肢しかなかったのだ!

あとこの写真に登場していないのは包帯…いや違った、バーテープだけだ。本当にこのパーツだけで、シマノ・ティアグラ9速装備のアングリルを10速化しようというのだ。

ちなみにバーテープまで含めてかかった費用は1万8千円弱! 2万円の予算からするとなんと2000円ちょいのおつりがもらえたことになる(まぁメカニックの人件費だな)。参考までに書いておくと、チェーンとスプロケはもちろん新品だが、STIレバーだけは程度極上(ほとんど新品に近い感じ)ではあるが中古品だ。今のご時世、片方だけのレバーを1万円以下で探すのはそれほど難しくないようだ。

そして今回は、予算をできる限り抑えるため、換えなくても良いものは徹底して残すことにした。もちろんフロントの変速系は全くそのまま変更しない。左側のSTIレバーまで含めてティアグラのものをそのまま使おうという算段だ。ケーブル類ももちろん新品に換えずに現状品を流用する。

ちょっと問題となる可能性があるのはリアディレイラー。アングリルに装着されているシマノ・ティアグラのリアディレイラーは厳密には9速用なので、シマノの“オススメ”に従うと交換したくなってしまうかもしれないが、ここはぐっと我慢、果たして9速用のリア変速機がどこまで10速に付いてこられるのか…という実験の意味合いもある。

全部シマノではあるが、異なったグレードとのミックスとなる今回の大改造、果たして使い心地がどうなるのか非常に興味深い。

では早速、大手術の経緯を見ていくことにしよう。
(ショッキングな画像があるかもしれないので、心臓の弱い方はご注意ください!)

ちなみに今回執刀したのは、まだ新人の医師であるドクターB夫だ。若干手際の悪いところはあるが、いちおう多少の経験はあるらしい。ちょっと安心感には欠けるが、一応信頼してまかせるしか選択肢はないようだ。(まぁ低予算なので仕方ないな…)

自転車で糖尿病を克服した!-9速のリアスプロケットを外す!
まずは装着されている9速用スプロケットを取り外すところから。このあたりの作業は実は慣れたものだ。工具さえあれば何の問題もない。(とか言いつつ、最初はこんな作業すらネットを見ながらやったものだが…)

自転車で糖尿病を克服した!-10速用スプロケットのスペーサー
10速スプロケットの場合にはこのスペーサーを入れるのを忘れずに!

自転車で糖尿病を克服した!-Ultegra 10 speed cassette!
これが真新しいアルテグラの10速スプロケット。最初はこんなにキレイだったなんて…ある意味衝撃だ。(♪私は掃除が苦手~苦手~♪)

自転車で糖尿病を克服した!-チタンスプレー
そしてSTIレバーをハンドルに付ける。シマノのSTIレバー取り付けネジは脇にあるのだ。(ちなみにスラムのダブルタップレバーの取り付けネジは真上にある。)そしてアウターケーブル内には潤滑のため「チタンスプレー」というやつを吹いておく。

自転車で糖尿病を克服した!-STIレバーのブレーキケーブル
これはSTIレバー内にブレーキケーブルを通したところ。実はこの作業はレバー取り付け前にやっておいた方がきっと良い。

自転車で糖尿病を克服した!-STIレバーのシフトケーブル
シフトケーブルはなんとこんなところに入れることになってる。(このあたりが7900デュラエースのシフターで大きく変わった点。)可動部分に重量物が結構あるのがそれまでのシマノレバーの特徴か。

自転車で糖尿病を克服した!-チェーンカッター
レバーが装着され、ケーブル類をつないだら、次はチェーンだ。これはチェーンカッターで9速用のチェーンを切るところ。これ、実は数ヶ月前にはなぜかとても恐れていた作業だったのだが、実際にやってみるとなんてことはない。かなり簡単だ。

チェーンの取り付けも実はそれほど難しいものではない。問題はチェーンの長さの決め方だが、以下の二つの方法があるよう。私は今後のクランクの歯数変更を見越して多少長めにしておいた。

●方法1:フロントアウターとリアの一番大きなギアにチェーンを乗せる。(リアディレイラーには通さないで)その状態で2コマほどチェーンがあまるくらいの長さにする。

●方法2:リアディレイラーを通した状態で、フロントアウター、リアトップ(一番小さいギア)にする。その状態でリアディレイラーの2つのプーリーギアがだいたい垂直になるようにする

自転車で糖尿病を克服した!-リアディレイラーの調整!
そしてもちろんリア変速機の調整もしなければならない。(もちろんリアディレイラーは9速対応のTiagraのままであることに注意。)実はリア変速機調整方法に関して、私としては近々特集を組みたいくらい大きな新発見があったのだ。数ヶ月前までの私はかなり間違っていた!!! スラムのリアディレイラー調整で結構手間取り、それが功を奏して、きっちりと調整する方法を学ぶことができた!ここがうまくいくと変速フィールが全く違ったものになる。(近日掲載予定

自転車で糖尿病を克服した!-左右別のSTIレバー
そして、バーテープを巻くと、あっという間に完成してしまった10速化作業! キャノンデール・システムシックス組み立ての経験があったおかげで、相当スムーズに行ったゾ! さてさて乗った感じはどうだろうか…?

というわけで右だけSTIレバーが変更になり、ST-R700という(105グレードだかアルテグラグレードだかわからない)レバーになった。左のレバーはティアグラ4500のままだ。

よく見ると、ティアグラのレバーとは微妙にシェイプが違うことに気づく。ブレーキフィールとか、握った感じとかに大きな違和感があるようだと困るが、それもこれもまずは経験。この状態でどんな感じがするのか早速試乗に出かけることにした。(だけど個人的には左右非対称というのは微妙に格好良い!と感じているのだがいかがだろうか?)

自転車で糖尿病を克服した!-10速化されたPinarello Angliru!
そしてこれが10速化完了の完成図!早速インプレッションをしなければならない! というわけで次回またはその次にはスラムvs.シマノという因縁の10速対決の記事を書こうと思う。(何か因縁なのかはよくわからないが…)

他社コンポを経て、あらためてシマノの10速に乗るといろいろなことに気づく。実はインプレッションの結果、かなりの驚きがあったのだ!本当は書きたくてうずうずしているが、またまたあまりに長い記事になってしまったので、今回はこれまでということで…。

詳細はまた近日中に!

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