バーチャル・レース、勝負はいつも全開だ!【緊急速報 その2】 | 自転車で糖尿病を克服した!

バーチャル・レース、勝負はいつも全開だ!【緊急速報 その2】


【前回からの続き】

ペダリング解析セミナーの最初のプログラムは、2kmのタイムトライアル。快調に走り抜けたB夫に続き、2番目に走るのは心持ち緊張ぎみのA子。

トレーナーと他の参加者たち全員が見守る中、いよいよバーチャルコースに飛び出した!

「なんで、あたしがタイムトライアルをやってるんだろう…」

そう思いながらではあったが(後日談)、それでもA子は必死にペダルを回し続けた。苦しかった。いくら河口湖までの登りコースを120km走り切ったことがあるといっても、いくらビンディングの試練をなんとか克服しかけているといっても、いくらロードバイクを購入してもう1年が経過する(そうなのだ、もう1年も経ったのだ)といっても、A子は、実のところ“競争嫌い”なのだ。それにスポーツ系での時間制限にからっきし弱いのだ。そう、この状況は彼女にはあまりにも酷な、非常に“居心地の悪い”タイムトライアルだった!

だが、彼女はがんばった。必死に漕いだ。ケイデンスも最高101まで回した。最高186ワットの出力も出した。

だが残念なことに、メタリックな肌を身にまとう、あの「ペプシマン」はあくまで冷酷非常だった!

スタートしてほどなく、「ペプシマン」は苦しんで走り続けるA子をあっさり置き去りにすると、その後一度も(そう、一度もだ)後ろを振り返ることなく、ゴールを目指し、あくまで一定のペースで走り続けたのだ!

な、なんという思いやりのないヤツ!人間の心が通ってないような振る舞いとはまさにこのことだ!

コイツにお仕置きしてくれ、トレーナー!(とB夫が激高したとかしないとか…)

やっとのこと2kmを走り終えたA子は、この慣れないタイムトライアルで相当疲れてしまったようだ。しばし休憩モードに入る。

続いて残りの参加者2名が同じようにこのTTセッションを行い、無事終了した。二人ともペプシマンをちぎり、しっかりと置いてきぼりにした。まぁ、A子のリベンジを2人揃ってしてくれたことになる。感謝しないと…

ムムム…しかしやはりこの2人、あなどれない…、ペダリングがとてもスムーズだ……次のレースはどうなる……

このTTでのペダリングをもとに詳しい解析が行われるのだ。だからやはり“普段通り”というのがとても大切だ。特に気負って普段出ないような力を出そうと力むと、おそらく結果は良くないばかりでなく、解析結果の意義も下がってしまう…参加される方はご注意を。

そしてトレーナーが4人の受講生のペダリング解析を行っている間に、受講生たち4人は、このバーチャルマシーンを使って、なんと16kmのレースに出場することになる!それが次のプログラムだ。B夫はちょっと体の中が熱くなるのを感じた

16kmという短い距離とは言え、レ、レース…なんと魅惑的な響き!B夫はどうやらそう感じたらしい。

本人はいまだにそうは思っていないが、実は“単細胞”の“江戸っ子気質まるだし”の部分があるB夫は、レース展開によっては、我を忘れてしまう可能性がある。今までの幾多の公道レースでそれは証明されている。トレーナー、ご注意を!場合によっては誰かがB夫をクールダウンさせなきゃいけないかもしれない…とA子は思ったとか思わないとか…。

さぁ、いよいよ10マイル(16km)レースのスタートだ!

刻々とスタートの時間が近づいてくる。今回は4人が一斉にスタートする。途中に補給所もなければ、サコッシュ・タイムもない。休憩なしで最後まで走りきらなければならないのだ!コースは単なる平地ではない。登りも下りもある。いくらかのアップダウンを含むそこそこの厳しいコース。そんな感じだ。

知っている方はつい昨日、ドイツのシュツットガルトで行われたロードレース世界選手権のコースを思い浮かべてもらえるとちょっと“雰囲気”だけは近いかもしれない(いやいやあんなにすごい坂はないけど)。途中何カ所かある上り坂の勾配は3パーセント~7パーセントほど。特にゴール前2.5kmのところにある上り坂は7パーセントもの勾配を持つので、体重のあるB夫は特に要注意だ

前回の記事で書いたように、このマシーンはシミュレートということに関して、ほぼ完璧な性能を持つ。実際の自転車競技と同じく、風よけ効果(ドラフティング)もあるし、坂道は体重によって負荷が変わる。まさに本当のレースができるのだ。それを思うと妙にワクワクして、なんだかスタート前から心拍数が上がりそうになっているB夫がそこにいた。

一番右にA子、左へ順にB夫、そして明らかに軽量級の若い男性サイクリストがその隣。一番左がやはり軽量級の女性サイクリスト。こんなメンバー構成でいよいよレースの火ぶたが切って落とされることになる!

「このサイクリスト、体重が軽そうだなぁ、登りが速そうだなぁ…、気をつけないと」

B夫はこの若い男性サイクリスト(ヤングライダー)をマークすることに決めた。できればA子にはアシストをして欲しいが…と思ってちらりと右を見たが、B夫はそれを期待するのはやめることにした。A子には楽しみながら完走して欲しかったからだ。

カウントダウンが始まった。

「3」「2」「1」…

B夫は勢いよく飛び出した!

ヤングライダーも同じように飛び出す!

おっとA子がすこし遅れたか。一番左の女性ライダーもそこそこいいペースで走り出す!

最初の数kmはほぼフラットな地形だ。平地での力が試される。B夫はヤングライダーたちを引き離すならココだとばかりにペダルを踏む足に力を入れる!おっとヤングライダーも付いてくる。スリップストリームに入られたか。(画面には後ろとの距離とワット数が表示されるので、相手が楽をしているかどうかもすぐにわかるのだ!

スリップスとリームを使われるとこちらが損だ。一気に引き離すか、相手を先に行かせて後ろに付くかの2つしかない…勝利を目指すなら。そう思ったB夫はさらにペースを上げ、ヤングライダーを引き離しにかかる。

あ~あ、やっぱりやっちまった。レース開始数十秒の時点ですでに熱くなったB夫は、後先を考えずに全開モードに突入してしまったようだ。この先しばらく走ると登りになる。その坂は大丈夫なのか?その後の長い道のりは??やはり例のパターンだ。あの国道246での「ジャイアントホープ」と「トレックディスカバリ」の戦いのようだ、もはや熱くなったB夫を誰も止められない!

A子はすでに無情にも置いてきぼりだ。彼女にとっての孤独で長いレースが始まった。(ペプシマンを責めていたのは誰だったのか!!!)

やっとレースが始まったところで、ゴメンナサイ、【次回へ続く!】
B夫とヤングライダー、空前のデッドヒートとなるのか??? 開始早々に孤独な走りとなってしまったA子は???

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