河口湖のアジトへ潜入せよ!自転車部隊は行く 【第2話】  | 自転車で糖尿病を克服した!

河口湖のアジトへ潜入せよ!自転車部隊は行く 【第2話】 


厳しい山岳コースの断面図だ!
ついに公開!河口湖への秘密任務のコースプロフィール(断面図)。


A子とB夫を待っていたのは、ご覧のように、非常に厳しい山岳コースだった!

途中に厳しい山岳地帯が待ちかまえるだけでなく、最後は超級山岳への登りゴールとなる。敵のアジトへは、まさにジロ・デ・イタリアの山岳コース真っ青な厳しいルートを通らなければならなかったのだ!

しかも、このコースの厳しさを、あろうことかB夫捜査官は調査不足のため(いや、敵の偽装工作のためかもしれないが)あまり認識していなかったのだ!これはまさに今だから告白できる大失態、悔やんでも悔やみきれない大チョンボであったのだ!

自転車歴わずか数ヶ月、しかも練習不足のA子が果たして最後まで無事走り終えることができるのか?せっかくのディナータイムには間に合うのか???いよいよ坂道は厳しさを増していく!


【前回からの続き】

「もう半分近くは来たよ」という、後にして思えばあまりに楽観的なB夫捜査官の言葉をA子は何の疑いもなく信じてしまったようだった。もう50キロ以上も走ってきた…という充実感もあるのだろう、ファミリーレストランとしてはごくあたりまえなランチはとても美味しく感じられた。(上のコースプロフィールでは52km地点


まだ、時間には余裕がある。二人はゆっくりと食後のアイスコーヒーを飲み、今夜の作戦プラン(大切なのだ)を語り合いながら、充実した昼食をとった。


情報によると、目的地のペンション、いや敵のアジトは食事が自慢らしい。その食事は6時半からだ。A子は任務であるにもかかわらず、そのディナーを楽しみにしているようだった。B夫ももちろんそうだったが、これは任務なのだという意識からか、本人はそれを語ろうとしない。


テロリストのアジトの食事がいいワケないだろう…とお思いの方も多いだろうが、いやいやそんなことはない。彼らだって体力仕事なのだ。誰にとっても食事は大事なものだ。そんなアジトがあっても不思議ではない。


満腹になった二人はジョナサンを後にすると、いよいよ後半の厳しいコースへと走り出す。時計は12時40分を指していた。


ただ、B夫はその厳しさをまだ認識していないのか、気楽に鼻歌交じりでペダルを回している。彼はあくまで楽観的だった。A子捜査官もB夫の情報を鵜呑みにしているので、もちろん不安などない。今本当に考えるべきはディナータイムのことだ。二人は任務の都合上、そう考えていた。だが、やがて二人はそれが間違いだったと気づくことになる。


相模湖を過ぎてからの国道20号は道幅がせまい。しかもトラックの通行量が多い。


まずはこれにA子が参りはじめた。


コースプロフィールを見てもらえればわかるように、ここは1級山岳の上りに差し掛かる区間だ。どうしたってスピードが乗らない。楽ではない。すでに今年になって数千キロ以上を自転車で走っているB夫ですらそうなのだから、A子にとってはそれは何倍にも感じられたはずである。


B夫が後続するA子を確認するために後ろを振り向くと、こんな光景が目に飛び込んできた。


A子が国道20号に渋滞を起こしているのだ!


時速にして十数キロ程度しか出ていないA子のスペシャライズド・クロスライダーは、後続の大型トラックをブロック、その後ろにはさらに何台ものトラックやら乗用車が連なっている…。しかし道幅が狭く、対向車が断続的に通過するため、エンジン付きなのに加速力のない大型トラックはA子の自転車さえ抜くことができないのだ!


あぁ、なんたる交通事情!


サイクリングロードがあれば済む話なのに…今度連邦政府に進言しなきゃいけないな。トラックドライバーには迷惑をかけるが、重要な任務だ。なんとか我慢してくれ。しかし、サイクリストを装うのも楽じゃない…。


A子の「ご機嫌状況」を示す「ご機嫌モニター」(B夫のクロスバイクに装備されている特殊装備だ。市販はされていない)の黄色ランプが点滅をはじめた!


な、なんたること。まだ半分ちょっとしか来てないのに、もうモニターが点滅!? 


B夫はとにかくこの状況を鎮めるため、A子に声をかけた。


「大丈夫!この坂を越えたら、もうあとはずっとフラットだから!もうちょっとの辛抱だから!」


な、なんたる大嘘!コースプロフィールを見れば一目瞭然!この先は山岳地帯の“食べ放題”なのに、B夫は地理学をあまりに理解していない発言をする。(いや、今だから話せるが、確かにB夫は知らなかったのだ。こんなにコースが厳しいものだったなんて…。だから漠然ともうそれほどキツイ坂はないだろう…くらいに考えていたのだ…信じられないことに。)


A子はその言葉をまたもや信じた。そして頑張った。A子が引き起こしたトラック軍団の渋滞もやがて解消された。


ちょっと下り坂があった。二人は気持ち良く下る。


休憩タイムになった。(そう、この時点くらいまでは10キロに1回くらいのペースで休憩していたのだ)


「ご機嫌モニター」にはグリーンのランプが灯る。B夫はひと安心した。


だが、そこからまた上りになった。B夫もがんばる。そしてA子はもっとがんばる。


それにしても暑い!上りが多い。B夫はこの時点になってはじめて先行きに不安を感じた。A子は果たして“完走”できるだろうか…?。今夜の任務は…?。おいしいと言われているディナーは…?。


「この坂を登り終えたら、休めるから、もうちょっとがんばろう。その先はきっと楽だよ!」


またまた大嘘だ!B夫はもはや完全に「ビッグ・ライヤー」と化していた。


二人はやっと70km地点に到達したばかりだった。残りはあと50kmもある。時計の針はもう午後2時をまわっていた。快晴の青空とは裏腹に、クロスバイクに装備された「ご機嫌モニター」には黒い影が忍び寄っていたのだ。


敵の謀略?それ以前の問題だった


果たしてディナーには間に合うのか!? さらに厳しさを増す後半戦!【次回へ続く…】


※今回の記事に登場するコースプロフィールは任務遂行時のB夫捜査官の記憶をもとに作成されたものであり、多少、あるいはかなり、不正確である可能性があります。ただずっと上り基調であったという部分は調査の結果正しいことが証明されています。(連邦捜査局担当者)


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