とうとうこの日がやって来てしまいました。
前日入りか「能登」あたりで現地入りして、早朝からの活動も視野に入れておりましたが、この前さんざん乗りまくり、充分堪能できたので、今日はもうそこまでする必要もないかな、と考え、早朝の新幹線+「はくたか」乗り継ぎで金沢入り。これでも午前中には着けるので、僅か2.1キロの区間をうろうろするには充分です。
さっそく終点の加賀一の宮まで行ってみます。すっかり見慣れた景色も、これが最後と思うと見る眼にも力が入ります。
先週以上に多くの人が訪れていて、駅には即席の記念品売場も開設され、活気がみなぎっています。これが廃止でなく、何か他のイベントで賑わうのなら素直に喜べるのですが、何とも想いは複雑です。
普段は静かな、人っ子一人居ないことを思うと、何だか別の駅に来ているような気がしてしまいます。
普段は無人の窓口も、今日は北鉄の社員が待機していて、記念切符等の販売をしています。出札窓口に人が居ると、それだけで駅が生き生きとする気がしますね。
適度に隣の中鶴来も訪れてみたりします。同じような行動をするテツも今日はいつもより多めです。
終点では電車が到着するたび多くの人が降りてきて、また同じくらいの人が引き上げて行きます。
次の電車を待つ人も多く、電車が行ってしまっても駅の賑わいは続きます。次の電車の発車まで約1時間。天気にも恵まれ、のんびり日向ぼっこをしながらホームで電車を待つのもいいものです。
そして電車が入ってくると、さらに駅は賑わい、これが一時間毎に繰り返されます。フリー切符を持っている人が多いせいか、同じ顔を何度も見かけたりします。
今日も鶴来と加賀一の宮の間を適度に行ったり来たりしてみます。明日からここ鶴来が終着駅となりますが、ここはこれからも特に大きな変化は見られないでしょう。
普段はほとんど乗客を見かけない鶴来駅の下りホームも、今日は多くの人が下り列車を待っています。明日からこのホームは上り列車も発車するようになるのでしょうか。
加賀一の宮に着くと、相変わらず多くの人で賑わっています。これだけの盛況振りを見ていると、明日も明後日も、これからもずっとこの賑わいが続くような気がしてなりません。
走行写真も撮ってみました。撮影組も大勢見かけましたが、距離が短いせいか、いつものサヨナラに比べると、そんなに多い方ではありません。
そして今日も日が暮れかけてきました。明日はもうここに電車がやって来ないと思うと、とても切なくなります。
相変わらず駅は賑わっておりますが、その賑わいもあと数時間となりました。
夕暮れ間近の時間に、リトルTGVの「ゆきんこ」ちゃんがやって来ました。
せっかくだから記念に写真を撮りましたが、今日はあまりミーハーなことはやりたくない気分です。
「鉄子の旅」初代担当の石川さんの姿も。ラストランに立ち会うのは、「鉄子」で訪れた長野電鉄・木島線以来だとか。
今日は夜になっても人が途絶える様子はありません。電車が到着するたびに、多くの人が訪れてはまた去って行きます。
最後の便は、ここでの折り返し時間が5分しかなく、慌しそうなので、一本見送ることにします。
同じように最終列車を待つ人は多く、列車が行ってしまっても、駅はとても賑わっています。普段は全くひと気のない時間帯なのですが。
出札窓口も終日大盛況でした。記念切符の類もよく売れたみたいです。
駅の外ではお別れの式典が始まりました。間もなくここも駅としての役割を終えます。
ついに最終列車が到着しました。折り返し時間は僅か5分しかないため、かなりざわついております。
最終列車が加賀一の宮を発車します。この瞬間はいつも胸がキュンとしてしまいます。
さようなら、加賀一の宮。明日からもうここに電車はやって来ないけれど、ここに鉄道が走っていたことを、決して忘れることはないでしょう。
82年間の長きに亘る活躍、本当にお疲れ様でした。