アビスパの2017年シーズンは黒星スタート | Purely Belter

アビスパの2017年シーズンは黒星スタート

2017年のJリーグがスタートしました。25日にJ1が、そして26日にJ2が開幕。これから12月初旬まで、熱い戦いが繰り広げられます。

今季はJ2を戦うアビスパ福岡は、ホームで開幕戦を迎えました。昨季J3で優勝し、2シーズンぶりのJ2復帰を果たした大分トリニータを迎えての一戦。昨季のサガン鳥栖戦に続いて、開幕から早速"九州ダービー"でスタートです。ライバルに勝って勢いをつけたかったアビスパでしたが、後半ロスタイムにゴールを許し1-2で敗戦。2017年シーズンは黒星スタートとなりました。


■後半ロスタイムのゴールで勝点を逃す…
試合の立ち上がりはアビスパが長短のパスを繋いでボールを支配しましたが、先制したのは大分でした。前半26分、ゴール前でDF岩下敬輔選手がファウルを犯すと、FKのこぼれ球をMF松本怜選手に決められました。先制を許したアビスパは、サイドからチャンスを作るも、決定機には至りませんでした。

しかし前半ロスタイム、アビスパが同点に追いつきます。ゴール前で得たFKを、DF駒野友一選手が直接決め、試合を振り出しに戻しました。アビスパの2017年初ゴールは、今季より完全移籍でチームに加わった駒野選手でした。今年7月に36歳を迎えますが、正確無比の右足は衰え知らず。今季も多くのチャンスを演出してくれることでしょう。

後半更にギアを上げたいアビスパでしたが、大分の積極的な攻撃に手を焼きます。大分は縦にグラウンダーのパスを入れたり、アビスパのサイドバックが上がったスペースを突くなどして、チャンスを作りました。アビスパはカウンターからチャンスを迎える場面がありましたが、ゴールを割ることができず。MF城後寿選手、邦本宜裕選手、FW坂田大輔選手と攻撃的なカードを切りましたが、状況を大きく変えるには至りませんでした。

引き分けが濃厚と思われた後半ロスタイム。大分にゴールが生まれます。左からのコーナーキックを、最後はDF鈴木義宜選手が蹴り込みました。これが決勝点となり、九州ダービーは大分が勝利。1年でのJ1復帰を目指すアビスパにとっては、悔しい敗戦となりました。

■開幕戦で見えたポジティブな要素
勝ってシーズンをスタートさせたいアビスパでしたが、非常に残念な結果でした。しかし、まだ42試合のうち1試合が終わっただけ。内容的にはポジティブな要素もあり、今後へ期待が持てるものだったと思います。

まず、新加入の岩下選手は、攻守両面で強さを見せました。攻撃面では、セットプレーのターゲットになるのみならず、長短のパスでリズムを作りました。守備面では、最終ラインから声を出してチームを鼓舞し、DF陣を引き締めました。

特に、後半における岩下選手の存在感は際立っていました。中盤で縦パスを通されたり、両サイドを突かれるシーンがありましたが、その度に岩下選手が立ちはだかりました。サイドにボールが出た際、CBがカバーに入るために外へ引っ張り出されると、中央が手薄になり危ない場面を迎えます。しかし、この試合の岩下選手は、サイドに引っ張り出されても、中へのボールをしっかりとカットし、ピンチの芽を摘みました。

清水エスパルス所属時代には日本代表候補にも招集された岩下選手。高校時代には全国高校サッカー選手権大会を制し、ガンバ大阪所属時代にはJ2・J1優勝を経験しました。高い技術と豊富な経験を兼ね備え、熱いプレーでチームに貢献できる選手です。新たなDFリーダーとして、今後も活躍してくれると思います。

ゴールこそセットプレーの1点のみでしたが、攻撃陣も見せ場を作りました。MF山瀬功治選手、FW石津大輔選手、松田力選手などボールを運べる選手が加わり、攻撃に人数が割けるようになりました。昨季はFWウェリントン選手にボールを当てるだけで精一杯でしたが、この試合では、多くの選手が攻撃に顔を出しました。ウェリントン選手と他の選手との距離も近く、コンビネーションからシュートまで持ち込むこともできました。

また、昨季はボールを奪う位置が非常に低かったですが、この試合では前線から積極的にプレスをかけ、高い位置でボールを奪い攻撃に繋げるシーンもありました。勿論、このような戦いを90分間続けるのは簡単なことではありません。この試合でも、後半途中から明らかに疲れが見えていましたし、攻撃に重点を置く分、逆にカウンター攻撃を受けるシーンもありました。運動量のさらなる向上、ギアの上げ方・メリハリのつけ方に期待したいところです。

一方、昨季に続いてセットプレーでの失点が多い点は気がかりです。昇格を決めた2015年シーズンは、セットプレーで多くのゴールを奪いました。一転して昨季は、セットプレーでなかなかゴールを奪えず、逆にセットプレーでゴールを許すシーンが多くありました。この試合の2失点も、いずれもセットプレーから生まれたものでした。早期解決が求められるところです。

■山口を下して、シーズン初勝利を!!
今季のアビスパは、目標勝点を84に設定しました。これは、昨季2位で自動昇格した清水が積み上げた勝点の数です。42試合を6つのクールに分け、1クール7試合当たり勝点を14積み上げる計算です。1クールを4勝2分1敗で終えると、この目標を達成することができます。

J1を最下位で降格したチームは、翌シーズンのJ2で苦しい戦いを強いられています。しかし、今季のアビスパは素晴らしい選手が揃いました。井原正巳監督体制となって3シーズン目、1シーズンでのJ1復帰は十分に可能だと思います。勝点84という目標は非常に高いですが、決して不可能な数字ではないと確信しています。

次節はアウェーでレノファ山口と対戦します。山口は開幕戦でFC岐阜と対戦し2-2のドローに終わりました。昨季からガラリとメンバーが変わり、まだ試行錯誤の段階かもしれません。試合を見ましたが、守備面はまだ仕上がっていない印象です。テクニックのある選手への対応を苦にする場面がありましたし、ボールホルダーに集中し他の選手が空く場面もありました。アビスパには個人技のある選手がいますから、チャンスは多くあると思います。

一方、攻撃面では、中盤には正確なパスを出せる選手がいますし、FW岸田和人選手は抜け出しの巧さがあります。昨季の戦い方のベースだった細かなパスを繋いでの攻撃もありますが、今季は一発の鋭いカウンターもあります。アビスパとしては、DF陣の集中は勿論ですが、中盤でパスの出所をしっかりと潰しておくことが求められます。大分戦ではMF三門雄大選手+冨安健洋選手のコンビでスタートし、途中から城後選手が入りました。次節は誰が起用されるのか、メンバー構成にも注目です。

次節はアウェー戦ですが、隣県での試合のため、多くのアビスパサポーターが後押しするはずです。今節同様難しい試合になりそうですが、今季初勝利を勝ち取ってくれることでしょう。


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