天国の本屋
シリーズものの第1作目です。あと2作あるのだとか。
あとの2作も絶対に読みたいと思います。
主人公はコンビニでバイトする冴えない大学4年生。
いつものようにバイトしていると、
アロハシャツを着た変なおじいさんに
なんと天国へ連れていかれます。
そこにある本屋さんで店長代理をすることになる主人公。
本屋さんなのになぜか朗読サービスのあるそのお店で、
主人公は「店長より朗読が上手」とかで一躍有名人になります。
設定はなかなか変わっていますが、
読みやすい文体と柔らかいタッチの挿絵のおかげで
すんなりとお話に入っていけます。
そして登場人物たちがとても魅力的。
アロハシャツのおじいさんも、
緑色の瞳をしたユイも、
夜の漫才コンビたちも、
冴えない設定の主人公までも素敵です。
お話はもちろん、
言うことなしに感動しました。
この本をこれから読まれる方にお勧めなのは、
最後まで読んだ後に最初の1ページを読むこと。
最初に読んだときと読み返したときとでは、
受ける印象が変わります。
それは最後の最後で作者さんにやられたっ!と思ったほどです。
作者さんにしてやられる、でもものすごく感動する、
なんとも素敵な一作です。